映画産業における公正競争環境整備に関する意見表明

2021年4月14日

競争消費者庁(VCCA)は、ベトナム国会の文化教育青少年児童委員会が2021年4月13日にハノイにおいて開催した、映画法の施行状況及び映画法改正に関する意見聴取会に出席し、映画産業における競争状況の評価、平等で公正な競争環境を確保するための施策等について意見表明を行ったことを公表しました。

本公表文によれば、本意見聴取会には、国会文化教育青少年児童委員会委員長、文化・スポーツ・観光省副大臣、情報通信省(放送・テレビ・電子情報局)、商工省(VCCA)、財務省(税務総局)及びその他の関連機関の代表者が出席し、VCCAからはTrinh Anh Tuan副長官が出席しています。

その中で、Trinh Anh Tuan副長官は、従来の映画会社とインターネット上の映画配信サービスサイト(国内外)との競争上の課題のほか、インターネット上の映画配信サービスサイトによってもたらされた消費行動の変化やベトナム映画産業の構造変化等について説明を行ったとしています。

また、映画産業における平等で公正な競争環境を整備するため、以下の3つの施策について提言したとしています。

1)市場機能を促進させ経済効率性を向上させるため、映画関係の法令によって、映画関連市場に対する投資促進や資金源の多様化を図るための法的枠組みを構築するべきである。これにより、映画会社は財政的な能力の強化を通じた自社の競争力の強化が可能となり、消費者に対して便益をもたらすと同時にベトナム映画産業の発展にも寄与することが可能となる。

2)文化普及という映画が持つ特殊な性格にかんがみ、映画関係の法令によって、ベトナムの映画産業を発展させるための国家プログラムを構築するべきである。当該プログラムは、映画制作の品質向上に焦点を当てるとともに、国内だけではなく海外におけるベトナム映画の紹介・広報活動を強化するものとするべきである。そのような活動を通じ、映画制作会社の競争的な地位を向上させ、配給会社等との交渉における優位性を確保することが可能となる。

3)映画関係の法令は、映画産業に関連する全ての事業活動(インターネット上の映画配信サービスを含む。)を規制することを可能とする包括的な法的枠組みとするべきであり、このような法的規制は、平等性及び公正性の原則に基づいて構築されるべきである。例えば、映画館、テレビ等の従来の上映方法において当局による事前の内容確認が行われる必要がある場合には、同様に、インターネット上で上映する際にも当該手続が行われる必要がある。