「ベトナムの国家森林認証制度」に関するガイドラインづくりを支援しました

2022年5月24日

当プロジェクトの政策支援コンポーネントでは、持続的森林管理や生物多様性保全に必要な政策・計画等整備の技術支援を行なっています。その一つが「ベトナムの国家森林認証制度」に関するガイドラインづくりです。

ベトナムで生産された木材等の持続可能性を証明するために、エコラベルなどで一般に知られるような森林認証は必要不可欠なツールの一つとなっています。この課題に取り組むため、ベトナム政府は2018年に「持続的森林管理計画づくりと森林認証」に関するプロジェクトを首相承認(首相決定1288号)し、ベトナム森林認証事務局(VFCO)(注)を設立してきました。

現在、ベトナムには2つの森林認証制度が存在しています。その1つが「森林管理協議会(FSC)」、もう1つが「PEFC森林認証プログラム」(国内名:ベトナム森林認証制度/VFCS)となっています。ベトナム国内においては、2020年末までに計約31.4万ヘクタールの森林がそれらの認証を受けています。この内、PEFCによる認証は約7万ヘクタールとなっています。VFCOは後者のプログラムを推進する目的で設立された比較的新しい事務所ですが、その運営に必要な基準やガイドライン類の整備が急務となっていたことから、当プロジェクトへの支援要請があったものです。

当プロジェクトでは、以下の8つのガイドラインの策定を支援しました。
1.苗床及び苗木生産に関するガイドライン
2.植林及び保育に関するガイドライン
3.森林機能区分に関するガイドライン
4.薬剤及び廃棄物管理に関するガイドライン
5.ランドスケープ及び生物多様性保全に関するガイドライン
6.低インパクト伐採に関するガイドライン
7.小規模森林所有者向け人工林調査に関するガイドライン
8.小規模森林所有者向け天然林調査に関するガイドライン

上記ガイドラインは同事務局の承認を経て既にオンラインで公開されており、今後のベトナム森林認証制度の推進に役立つことが期待されています。