ソンラ省で持続的森林管理に関する研修が実施されました。

2022年7月19日

対象省のひとつであるソンラ省において、持続的森林管理計画の活動支援についての会議が開催されたことは5月11日のプロジェクトニュースでお知らせしましたが、その後も継続して話し合いが行われ、6月中旬に当プロジェクトが支援する内容が決定しました。

支援内容の一つは、支援対象である保護林と生産林を管理する会社の職員の能力向上研修です。この会社は遠隔地にあり、また作業所が分散し現場作業も多いため、職員が一堂に会して新しい法律や制度、林業に関する技術を学ぶ機会がほとんどありませんでした。現在策定中の持続的森林管理計画を実行する上でも職員の能力向上は不可欠であるため、7月2日から5日にかけて、4つのテーマについて研修を行いました。

4つのテーマとは(1)森林保護と森林整備ガイドラインの普及啓発、(2)森林保護技術、(3)森林火災予防と消火技術、(4)造林技術と特用林産物(木材以外の森からの恵み、きのこや薬草など)です。研修は一日に一テーマを扱い、午前は講義、午後は現地実習の形式をとりました。

森林保護と森林整備ガイドラインの普及啓発に関する研修では、違法行為を発見した際に、これらの法的文書をどのように応用すべきかについて学びました。法やガイドラインの普及と教育は、森林保護において、もっとも重要な対策のひとつといえます。

森林火災予防と消火技術の研修は非常に実用的なものとなりました。参加者は森林火災予防等に関する最新の法について学び、消火に使用する機器を実際にテストし、消火にあたる者の安全を確保しつつ被害を最小限に抑える方法を学びました。講義では、特に乾季の森林火災のリスクが高い時期を想定した、森林パトロールや定期検査の方法といった項目もカバーしました。

造林技術と特用林産物の研修では、主として植え付け箇所の準備、植え付け時期、森林の病虫害の予防といった技術面を扱いました。講義と実習を通じ、参加者は造林と、天然林回復のための基礎知識を得ることができました。

今後、研修を受けた職員たちがそれぞれ職場に戻り、研修で学んだことを、森林パトロールなどの業務に活かして持続的森林管理を実践することが期待されます。

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森林保護と森林整備ガイドラインの普及啓発に関する議論

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森林保護に関する違法行為対処に関しての議論

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森林火災予防と消火技術に関し、緩衝地帯を作成

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造林技術に関する現場での講義