ベトナム国は、「ドイモイ(刷新)政策」採択以降、市場経済の導入などで著しい経済成長を遂げている。一方で都市と農村の格差が存在し、山岳地域を中心に53の少数民族が居住しているが、特に多数派であるキン族と経済格差が拡大している。少数民族の全人口に占める割合は12.6%(2004年)であるが、貧困人口の比率は、多数民族(13.5%)と少数民族(60.7%)との間で大きな格差があり、少数民族の生計向上は、社会の安定のためにも重要な課題である。ベトナムにおいて多くの少数民族が居住する地域は、北部山岳地域、中部高原地域、メコンデルタ地域に代表され、これらは同時にベトナムでも最貧困地域となっている。社会・経…