母子の救急搬送の標準化と改善を目指して-国家ガイドラインが完成

2018年3月14日

2月27日、ザンビアにおいて初めてとなる母子救急搬送ガイドラインの披露式典が開催されました。

ザンビアが直面している保健分野の課題のひとつに「母子の救急搬送の改善」があります。プロジェクトが支援する首都のルサカ郡では、年間の施設分娩件数が約48,000件、これらの出産がより高度な医療を提供する首都の大学病院に集中すると、病院が機能しなくなります。実際にルサカ郡では約25%の出産が大学病院で行われるという深刻な状況になっていました。そこで、市内の一般病院で通常出産を、母体や胎児に異変があったり、出産中の急変や出血時には適時に判断し適切な病院へお母さんを搬送するという仕組みづくりが必要になっていたことから、プロジェクトは、この出産にかかる搬送のための判断基準、手順などを制定したガイドライン作りを支援してきました。

当初はルサカ郡で活用するために作成されたガイドラインでしたが、その後、国家ガイドラインとして発展し制定されることになりました。そしてこの度、ザンビアで初めてとなる母子搬送に関するガイドラインを全国に披露し普及させるため、保健大臣出席のもと母子保健にかかわる保健省や病院の関係者、JICA、UNICEF、EUなどのドナーも参加し盛大な式典が開催されるに至りました。

ガイドラインが国家基準となりルサカ郡のみならず全国で母子搬送システムの強化に役立てるようになったことは大きな成果であり、プロジェクトでは、今回作成されたガイドラインをもとに母子がより安全に適切に搬送されるよう引き続き支援していきます。

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母子救急搬送ガイドラインの式典の様子

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JICAザンビア事務所、花井所長のスピーチ

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チーフアドバイザー横堀専門家のプレゼンテーション

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完成したガイドライン