プロジェクト概要

プロジェクト名

持続可能な地域密着型灌漑開発プロジェクト(E-COBSI)

対象国名

ザンビア共和国

署名日(実施合意)

2017年10月11日

プロジェクトサイト

カッパーベルト州、北西部州、中央州、ルアプラ州、北部州、ムチンガ州

協力期間

2019年1月17日から2024年1月16日(5年間)

相手国機関名

(和)農業省
(英)Ministry of Agriculture (MoA)

背景

ザンビアでは、就業人口の約7割が農業に従事しており、農業は鉱業と共に経済成長を担う重要なセクターですが、生産量と生産性の低さが課題となっています。国土(約75.3万平方キロメートル)のおよそ6割(42万平方キロメートル)が作物・家畜生産に適しているとされていますが、有効に利用されているのは、農地の16%程度に留まります(2014年:世界銀行)。また、灌漑可能面積は2.8万平方キロメートルと推定されていますが、灌漑農地は0.16万平方キロメートル(15.6万ヘクタール)に過ぎず、生産量の拡大と生産性の向上のために、農地の拡大と共に灌漑農業の促進が求められています。

JICAは2013年から2017年に実施した「小規模農民のための灌漑開発プロジェクト(T-COBSI:Technical Cooperation of Community-based Small Scale Irrigation)」で、農業省の行政官と農家を対象に、小規模灌漑スキームの建設・運営技術(COBSIアプローチ)の移転を行いました。ここでは、自然素材を利用してザンビアの国土に数多く見られる小河川や湿地帯の水資源を活用しました。T-COBSIは小規模灌漑開発であるにもかかわらず、961ヘクタールの新規灌漑開発(簡易堰設置数:779、恒久堰設置数:14)を達成し、13,745世帯の農家の栽培面積が拡大するとともに、農業所得の向上が確認され、事業の有効性と効率性がザンビア政府から高く評価されました。今般、T-COBSIの終了を受け、ザンビア政府から、COBSIアプローチによる小規模灌漑及び灌漑農業をさらに他地域に展開するための技術支援(E-COBSI)が要請されました。

目標

上位目標

対象地域の小規模灌漑農業の生産が増加する

プロジェクト目標

小規模灌漑施設の導入と小規模農家の灌漑農地管理技術の向上により、対象地区における地域密着型の灌漑農業(Community-Based Smallholder Irrigation:COBSI)が促進される

成果

1.COBSIプロモーションユニット(CPU)(注1)の小規模灌漑開発の計画・管理能力が強化される。
2.対象地区の農業生産の現況と課題が調査によって明らかとなる。
3.農家の小規模灌漑開発の灌漑・営農技術およびマーケティングスキルを促進するために、州・郡・キャンプの行政官の能力が強化される。
4.モデルサイトの小規模農家の灌漑施設運営・維持管理(O&M)、栽培、マーケティングに関する知識とスキルが向上する。

(注1)COBSIアプローチを各州の小規模農家へ展開するために、農業省本省と対象州に設置されたユニット

活動

1-1.CPUメンバーを決定し、農業省における研修対象者として小規模灌漑開発に関する計画・管理能力を強化する。
1-2.CPUに対し灌漑開発計画・設計に関する基本原則について研修を行う。
1-3.CPUメンバーに対して灌漑インベントリー調査に関する研修を行い、対象地区の灌漑ポテンシャルを分析する。
1-4.CPUメンバーに対し新規対象州に建設予定の恒久堰に関し、サイト調査、設計、施工管理についてOJTを行う。
1-5.CPUメンバーに対してフォローアップ州及び新規対象州において恒久堰の維持管理に関し、OJTを行う。
1-6.小規模灌漑開発に関する年間予算と業務計画を作成する。
1-7.小規模灌漑開発に関する3ヵ年アクションプラン(2025-2027)を作成する。

2-1.新規対象州において灌漑農業に関する基礎データを収集する。
2-2.新規対象州においてデータ分析の結果を踏まえて対象サイトを選定する。
2-3.対象サイトにおける社会・経済状況についてインタビュー・ワークショップ等を通じて明らかにする。
2-4.対象サイトの灌漑・農業の状況をサイト訪問、インタビュー等を通じて明らかにする。
2-5.フォローアップ州において小規模灌漑スキーム(簡易堰、恒久堰)の現状(灌漑エリア、用水路の長さ、灌漑農業の状況、裨益者数、農家が直面している課題等)についてサイト訪問、質問票、インタビュー等を通じて明らかにする。

3-1.研修計画(キックオフ、フォローアップ、年間評価ワークショップ)を立案する。
3-2.新規対象州において簡易堰に重点を置いた研修を実施する。
3-3.フォローアップ州対象サイトにおいて州・郡・キャンプ行政官を対象とした研修用モデルサイト開発計画を策定する。
3-4.(主にフォローアップ州の)対象サイトにおいて営農、マーケティング、水管理、モニタリングに重点を置いたフォローアップ研修を実施する。

4-1.新規対象州の農家に対し灌漑施設の維持管理、営農について研修を行う。
4-2.フォローアップ州の対象サイトにおいて、モデルサイト開発を通じてマーケティングに重点を置いた営農(中核農家を対象としたSHEPスタディーツアーを含む)、水管理、栽培技術について農家に対し研修を行う。

投入

日本側投入

1)日本人専門家7名(総括/小規模灌漑開発行政、副総括/営農・マーケティング、小規模灌漑施設、水管理/灌漑施設維持管理、農村社会/農民組織/ジェンダー2、ジェンダー/栄養改善/営農2、環境社会配慮/研修管理/栄養改善2)
2)機材の供与(コピー機、オートレベル、発電機等)
3)本邦研修

相手国側投入

1)カウンターパート(C/P)の配置
2)執務室の提供
3)その他必要経費