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個々のライフイベント
に寄り添った勤務環境
を実現。

海外赴任、育休取得、海外留学……
一人ひとりのキャリアプランをバックアップする制度、文化

吉成

浅野さんはJICA職員である奥さまと二人三脚で子育てをしながら、海外赴任や海外の大学院への留学(海外長期研修)などを経験され、キャリアを積んでこられたと思います。様々な制度も活用されたと思いますが、海外赴任と子育ての両立、ご家族で過ごす時間の確保などを、どのように進めてこられたんですか?

浅野

私の歩みを駆け足でご紹介すると、2005年に入構し6年目の2010年にウガンダ事務所に着任しました。その直後に娘が日本で生まれ、生後9カ月の時に育児休業中の妻が子供を連れてウガンダに来ました。ウガンダは気候が良く家族にとっても暮らしやすい環境でしたし、職場と家との距離も近く、昼休みは帰宅して一緒に昼ご飯を食べたりもできました。海外では家族と過ごす時間を長くとることができたため、生活の充実感という観点からも、家族と一緒に過ごすことができ、良かったと思います。しばらく三人で暮らしていましたが、間もなく妻が復職を希望し、人事部の担当者がウガンダに出張で来た際に、妻とも面談をしてもらい、要望を伝えて相談しました。ウガンダで復職できるポストがあれば良かったのですが、次善の案として妻が入構後の海外研修(海外OJT)で経験していたラオス事務所への赴任を希望しました。間もなくそれが叶い、子供が2歳になるころに妻がラオスに子供を連れて復職しました。その時点では、ウガンダとラオスに離れて暮らすことになりました。

座談会中の画像

吉成

奥さまもウガンダで仕事ができればなお良かったですね。確かに本人の希望を踏まえ、夫婦で同じ事務所に赴任しているケースもありますね。JICAの海外拠点は90ゕ所以上あるので、組織として必要な人材配置と本人の希望のバランスをとる視点も必要になります。

浅野

離れて暮らすことにはなりましたが、上司や同僚の理解を得てラオス訪問のための休暇を取得したり、妻も同様に休暇を利用してウガンダに来たりして、日本とウガンダに分かれて暮らしている場合よりも頻繁に会うことができたと思います。その後、私は念願であった海外長期研修に応募し、2014年から1年間、英国に留学することになりました。妻は配偶者同伴休職制度(※注)を利用して、再度休職し、ラオスから子供をつれて合流。その後、第二子が英国留学中に生まれました。このときは私が2週間の育児休業を取得しました。在外事務所に勤務する職員の配偶者同伴休職制度の利用も、研修留学からの育児休業の取得も、前例がなかったのですが、人事部で柔軟に制度適用してもらい実現しました。

横田

奥さまもJICA職員ですし、きっとご自身のキャリアプランがあると思いますが、今のところはご主人先行ですね(笑)。

浅野

妻には感謝しています。二人ともJICAで成し遂げたいことがあり入構し、それぞれに目標があります。夫婦が協力しながらお互いの専門性やスキルを高めていくことは重要ですし、それについては話し合ってきています。確かに今までは私の希望が先行しているところがありますから、機会を見つけ“お返し”をしなければいけないですね。

吉成

浅野さんのように男性で育児休業を取得する人は非常に少なかったのですが、確実に増えてきました。2018年度は11人の男性職員が取得見込みです。身近に育児休業を取る人が存在し「あの人が取っているから自分も」という気持ちになれますからね。心理的なハードルが下がってきていると思います。

(※注)職員の配偶者が仕事等により外国に滞在する場合において、当該職員がその配偶者と同じ場所で生活することを希望する場合に、休職により配偶者への同伴を認める制度。

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働き方の多様性をさらに高めていくために

座談会中の画像座談会中の画像

久保

私も今後大学院で学ぶことを考えているのですが、浅野さんはキャリアについてどのように考えているのですか?

浅野

私はアフリカと農業・農村開発という領域で、業務の幅を広げ、専門知識・経験を深めていけるようなキャリアを積んでいきたいと思っています。英国留学では計量経済・統計分野について学んだので、今後はさらにこの知識を深めて専門性を高めたいと思っています。

吉成

ご自身のキャリアプランに沿って、うまく制度を活用しながら進んでこられたという印象があります。

浅野

周囲の人の理解も大きかったですし、制度の柔軟な適用などサポートしてもらえたと思います。夫婦とも、子育てをしながら在外事務所勤務を果たすこともできた一方で、子供を連れてラオスに勤務した妻には負担も大きかったと思います。運転手・ベビーシッターの方にはとても助けて頂きましたが、娘が体調を崩すことが度々あり、気苦労が大きかったと思います。私も、娘が病気になったときには、すぐに駆けつけることができず心苦しさを覚えました。家族は一緒に住むのが一番です。その点では私の時は叶いませんでしたが、夫婦で同じ事務所に赴任したり、配偶者が駐在する国へ赴任したりするという事例が今後増えていくことを期待しています。もちろん吉成さんが言われたような、在外事務所のキャパシティや組織としてのニーズという観点との兼ね合いがあるとは思います。

横田

今はJICA本部にお二人勤務されていますが、どのように育児の分担をなさっていますか?

浅野

英国から2015年に帰国し、私はアフリカ部に配属となりました。妻も第二子の育児休業から復職して東京で働いています。子供は8歳と3歳になり、時差出勤、在宅勤務、時間単位休暇などの制度を柔軟に活用しながら、二人で子育てをしています。子供を持ってからの8年を振り返ると、限られた時間で成果を出す力、具体的にはスケジュール管理能力、そして業務に対する集中力を高められたのではないかと思っています。また、育児を経験することで、同じ環境にいる同僚の状況を理解することができるようになりました。それはマネジメント力の向上にも直結すると思います。

育児関連の制度は整備されていて、誰もがその制度を利用できる環境にあり、実際に活用もされています。他方で管理職の男女比にはまだ偏りがあり、今後、育児休業等により生じる昇進時期の違いを埋めていくためには、人事制度の更なる発展も必要だと感じています。その点はマネジメントの立場で、今後私自身も考えていきたいと思っています。

吉成

確かにまだまだやるべき事はあると思います。管理職における女性比率の向上については、現在、経営戦略として組織的に女性管理職比率の目標値も掲げ取り組んでいますし、確実な達成、向上が必要だと思っております。また、男女という切り口のみでなく、多様な働き方が認められる組織のかたちや人事制度については多面的な視点で丁寧に検討していく側面もあると思います。

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