「モンゴルで野菜を作ろう!」〜北海道滝川市発 地方農民の収入向上を目指したアグリビジネス振興プロジェクト

2017年11月7日

滝川市は、JICA北海道と協力し、モンゴル国ウブルハンガイ県 にて農業のプロジェクトを行っています。首都ウランバートルから南西に約400キロのウブルハンガイ県は、あの朝青龍関の出身県です。
モンゴルの気候は、乾燥し、寒いときにはマイナス40度にもなる過酷な気候。通常の作り方では作物はなかなかうまく育たず、育った野菜も小さなものしか作ることができませんでした。しかし、同じように厳しい気候の北海道はどうでしょう?野菜はとれませんか?そんなことはないですよね。
みなさんご存知の通り、北海道は野菜王国。本州よりも寒くても、大きな野菜もたくさん収穫されています。
そこで、モンゴルの人に農業の手法を伝えて、モンゴルでもおいしくて、安全な野菜を食べてもらおうと、このプロジェクトが立ち上がりました。

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玉ねぎを作ろう!

モンゴルの主食は肉・肉・肉!とにかく肉が多いです。でも、さすがに肉ばかりだと食事のバランスが悪いので、乳製品を取ります。モンゴルでは、赤い食物(肉)と白い食物(乳製品)をバランスよく取りなさい。と言われるそうです。
きっと、野菜を作れば、モンゴルの人も野菜を好きになってもらえると思い、どんな野菜にニーズがあるのか、調査しました。その中で候補に挙がったのが、玉ねぎ。玉ねぎはいろいろな料理にも使え、北海道でも多く作られ、栽培技術も確立されたものがあります。

もちろん、モンゴルの市場でも玉ねぎをはじめ、たくさんの野菜が売られていますが、多くは中国からの輸入に頼っているそうです。そして、ウブルハンガイ県はウランバートルから車でおよそ8時間。流通網もあまり良いとは言えないモンゴルでは新鮮な野菜は大変貴重です。ぜひ、モンゴル国内で野菜を作り、おいしくて、安全で、新鮮な野菜を食べてもらいましょう。

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太陽ハウスと子どもたち

これまで、モンゴルでは種から玉ねぎを育てていました。収穫までにはまる2年ほどかかります。
また種からの成長する過程で枯れてしまうものも多いのです。
そこで、太陽ハウスと呼ばれるレンガとビニールで作った温室を建設し、太陽熱で温めた部屋の中で種から苗に成長させます。
ある程度成長した苗を畑に移植して育てると、成長も早く、丈夫に育ちます。収穫までの期間も1年と大幅に短縮できる予定です。こうした農業が普及すれば農家の収入、品質や収穫量も向上するでしょう。

ちょっとした問題もありました。太陽ハウスやビニールハウスを珍しがった子どもたちがハウスに上り、いたずらするケースがあったのです。そのため、すぐ隣に県の職員である管理人さんがゲル(モンゴルの遊牧民が使う移動式の家)を建てて監視することにしました。管理人さんが住み込みで守り、いたずらは減ったようですが、管理人さんの生活もあるので、これではあまり現実的ではありません。
学校を通じて、農業の大切さを伝えてもらい、みんなの食べものを作っている大切な施設だからみんなも大切にしてね。いたずらしないでね。といったように指導してもらえないか、検討中です。

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ピクルスの作り方教室

そのあとは、野菜を使った料理の普及です。とれた野菜を次の収穫まで保存するための技術として、「ピクルスの作り方」を、滝川の専門家の方が教えてくださいました。現地の方も「おうちに帰ったら作ってみよう!」と真剣な表情で授業を受けていました。
これまで野菜を育てることが難しかったモンゴルでも適切なやりかたで行えば、おいしい野菜が作れます。それをモンゴルの人は証明してくれました。多くのモンゴルの農家さんに技術を普及させて、モンゴルでおいしい野菜を「地産地消」できるように、滝川市とJICA北海道は協力して行きます。

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