JICA新入職員4名がJICA北海道で研修を受けました!

2018年7月18日

 JICAでは例年、東京本部で採用された新入職員に、日本各地の国内機関で業務を経験させています。約1週間と限られた期間ではありますが、これからの国際協力を担う世代に国内機関での機能と国内の国際協力事業の現場を学ぶ機会としています。
 2018年6月17日~23日に、JICA北海道センター(札幌)(以下、JICA札幌)で研修を受けた今年の新入職員4名に、滞在中の経験を振り返ってレポートを書いてもらいました。途上国の開発に携わりたいという、意欲に溢れるフレッシュな職員たちのアツいコメントをどうぞご覧ください!

ひろがる道産子の「輪」

 私はアフリカ部に所属しており、普段は東京の本部にて部内業務の計画・調整、また来年度横浜市で開催されるTICAD7(アフリカ開発会議)に向けた準備を行っています。1週間の研修では、JICA札幌が担う業務・役割を学びました。
 課題別研修に一日同行し、研修員と案件担当者、受託先、コーディネーター等と顔を合わせて向き合う姿勢に刺激を受けました。また、研修の質の向上に向けた取り組みを積極的に行う話を伺い、JICA札幌が研修員・講師間のプラットフォームとして機能していると感じました。
 市民参加協力事業としては、大学連携を行う北海道大学と酪農学園大学に訪問し学生との交流を行ったほか、北海道青年海外協力隊を育てる会定期総会、環境広場さっぽろ、フェアトレードフェスタに参加しました。北海道大学は35年間ザンビアでの事業を行う等、アフリカとの繋がりが強いことを学びました。他方、「TICAD」の言葉を学生が一人も知らなかったため、広報面で当部の課題が見え、JICA札幌の広報を参考にしたいと考えています。市民参加のイベントでは、北海道出身の協力隊と市民の輪をひろげていこうという思いを強く感じました。地域の強みを研修で活かし、逆に研修員の意見を参考に北海道での新たな可能性を発掘する等、北海道と世界の繋がりの強さを感じました。日本がより質の高い国際協力を行うために、センターの機能は非常に重要だと実感する1週間でした。
                            (文責:アフリカ部計画・TICAD推進課 太田 泰葉)


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ともに学ぶ

 東京本部でアフリカ、中南米地域の電力や鉱物資源の支援を担当している関と申します。
 北海道には約120ヵ国から年間約1,000人の研修員が訪れており、研修を行っています。今回私たち新人は研修に同行する機会を多くいただきました。「研修」というと、学校の授業のようなものを想像しませんか?私もそのような人の1人でした。しかしJICA札幌では座学だけではなく、北海道の豊かな自然での野外活動や地元小学生との異文化交流など様々な内容の研修を行っています。
 私が研修に同行する中で驚いた瞬間があります。それは研修員と講師の先生との意見交換会の中で研修員が「日本にはこんな問題がある」「日本はこんな制度を導入した方がいいのではないか」と日本がより良くなるための意見を多く提供してくれていたことです。彼らは日本から学ぶだけでなく、日本にない様々な情報や考え方を日本にもたらしてくれています。JICA札幌の研修事業を通して途上国だけでなく、日本、そして北海道も成長できる可能性が多分にあるのです。
 多くの研修員が北海道から学び、また同時に北海道が世界から学ぶ。このような研修を研修員と北海道市民に提供することがJICA札幌の使命であると強く感じた1週間でした。
                    (文責:産業開発・公共政策部 資源・エネルギーグループ 関一樹)

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自分が仕事を通してできること

 私は、今年の4月にJICAに入構し、現在ベトナムの道路セクターを担当しています。新人として、組織の仕組みや案件を進める手続きを学びながら、担当案件についての知識を身に着けています。
 今回の新人研修では、実際にJICAの海外展開支援事業を活用して、インドに進出された企業の常務取締役の方からお話を伺うことができました。
失敗も多くあった中で、どのようにそれらを乗り越えていったのか、また今後の展望等、聞いているこちらの胸も熱くなるようなお話を聞かせていただくことができました。
 また、札幌で研修を受けている研修員の方々に同行する機会もありました。研修事業は、本部での自分の業務からは遠く、日頃は関わりがありません。しかし、研修員の方々が日本について学び、日本のことを好きになっていき、研修で得たことを帰国後どう活かすのかと考えている様子を見て、研修事業の意義と面白さを知ることができました。
 更に、青年海外協力隊の帰国報告会、フェアトレードフェスタと環境広場2018さっぽろのステージ等、北海道のイベントへの参加、そして、北海道大学と酪農学園大学で大学生の方々との交流も経験させていただきました。帰国報告会では、小学生も参加しており、自ら報告会参加者の前でこれから行きたい国の話をしてくれました。ステージではSDGs(Sustainable Development Goalsの略、持続可能な開発目標)をテーマに市民の方々と一緒に歌って踊りました。交流会では、自分とJICAとの出会いを共有することを通して、自身の原点を振り返ることができました。市民の方々にJICAの活動と国際協力について知っていただく活動の楽しさ、そして、一方的な押しつけにならない「交流」にすることの大切さと難しさを学びました。
 JICAというフィールドはとても広く、自分がこの組織で仕事を通して世界のためにできることは本当にたくさんあるのだということを学んだ1週間でした。
                        (文責:東南アジア・大洋州部 東南アジア第3課 上小澤圭那)

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広い視野を持つこと

 JICAに入構して2か月が経ち、JICA札幌で一週間、国内機関の機能と役割に関して業務を通じて考えを深めることができました。札幌に行く前に私自身の中で2つ得たいことがありました。1つ目は、研修の質を高めるためにJICA札幌ではどのような工夫をしているのか。2つ目は、国際協力を通した世界の課題解決が日本の未来につながっていることをどのように市民の方々にお伝えする方法があるのかを考えていました。
 JICA札幌では研修の付加価値を高めるために職員や研修プログラムを実施して頂いている受け入れ先の方々が話し合いを行っていることを伺いました。実際に研修に同行してみると受け入れ先の講師が講義の後も研修員と食事をしながら、研修員の母国での事情を聞いている姿を拝見しました。研修員となるべく時間を共にすることで研修員と仲良くしていくことの大切さを学びました。また、受け入れ先の方が、講義が一方向にならないようにディスカッションの場を設け一人一人の意見を確認されていました。それぞれの意見を確認されている内に研修員同士がコメントや質疑応答をするようになり活発な意見交換が行われていました。
 JICA札幌には、民族衣装、映像、展示物を通して世界が直面している現状を知ることができる広いスペース「ほっかいどう地球ひろば」があります。また、世界各国の料理を提供してくれる食堂「地球こうさてん」が今年の5月にリニューアルしたばかりできれいでした。
 東京に戻ったら研修業務に携わることから、受け入れ先の方と研修員に対し自分からコミュニーケーションを取り、さらに質の高い研修を実現できるよう努力していきたいと思います。
                           (文責:JICA東京 産業開発・公共政策課 若林 親正)

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