草原の国モンゴルで人々と共に生きる家畜のため、北海道大学で獣医学人材を育成すべく研修員を受け入れています

2018年10月25日

草原が果てしなく続くモンゴル。そのモンゴルにとって、牛や馬や羊などの家畜は昔からひとびとの生活の中に存在し、今も牧畜産業は重要な産業にあたります。
しかし、生活に身近であるはずの家畜に対して、家畜の感染症対策や獣医師の育成に関しては、まだモンゴルでは十分でありません。

モンゴル政府は、2010年に「モンゴル家畜プログラム」を策定し、家畜感染症対策等に取り組み、国内329郡(ソム)全てに獣医師と家畜繁殖等技術者を配置する等の努力を行っていますが、まだまだ改善を要します。そうした中、日本は、モンゴルでの獣医・畜産分野の人材育成のためにJICA技術協力(注)を実施しており、北海道大学が全面的に技術支援しています。

北海道大学では、2014年より毎年、JICAを通じてモンゴルから研修員を受け入れており、北海道大学で学んだあとは、母国で家畜疾病対策等の実践的な研究や技術指導に勤しんでいます。

2018年は受入の最後の年。今年は7月から約二か月の滞在予定で6名の研修員(モンゴルの大学、中央政府、自治体などに属する獣医学の専門家)が来日し、北海道大学大学院獣医学研究院や人獣共通感染症リサーチセンターの研究室で、指導教員の下、研究活動(衛生学・微生物学など)に従事しました。

夏の北海道での生活は、普段の研究以外にも円山動物園の見学をはじめとした楽しい体験が数多く、彼ら彼女らにとっても忘れられない思い出になったようです。

忘れられない出来事として、帰国直前に起きた9月6日の地震があります。大きな揺れと停電には驚かされたようです。帰国日が地震によって数日遅れましたが、9月10日に全員無事に母国へ戻りました。

(注)
JICA技術協力プロジェクト「モンゴル国の獣医・畜産分野人材育成能力強化」:モンゴルでの獣医・畜産分野の人材育成の中心的役割を担うモンゴル生命科学大学獣医学部や既に現場で活動している技術者の能力強化のために2014年4月より北海道大学が支援機関として4年間の協力がスタート。

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