世界食料デーイベント映画「0円キッチン」上映会&JICAボランティア帰国報告会、開催!

2018年11月13日

2018年10月28日(日)、世界食料デーイベント映画「0円キッチン」上映会および帰国したばかりのJICAボランティアの帰国報告会をJICA北海道(札幌)地球こうさてんにて開催いたしました。
当日は、43名の方にお越しいただきました。

スリランカ、マレーシアでの2年間を報告!

第一部では、青年海外協力隊・シニア海外ボランティアとして開発途上国で2年間活動をしてきた2人の帰国ボランティアに自分たちが赴任した国や活動について報告していただきました。

【藤本俊明さん 青年海外協力隊・スリランカ・料理】
手でご飯を食べる文化をもつスリランカで、料理の実技指導を行った藤本さん。
料理コースのある職業訓練学校に派遣されたものの、予算不足やキッチンの衛生状態、生徒の態度などやることは山積みだったそうです。
そんな中でもコミュニケーションを大切にし、生徒それぞれに自分で考える力を持ってもらおうと奮闘されたとのこと。
赴任したころには閉店していた生徒運営のカフェを、帰国前に再開させ資金の調達や生徒たちのやる気を引き出すきっかけを作ったとのことです。

はじめて行った海外がスリランカだった藤本さん。2年間で活動に加えてスリランカの隅々まで満喫することができたとお話していました。

【画像】 

                 スリランカの文化について説明する藤本さん
 
 

【藤森康能さん シニア海外ボランティア・マレーシア・コンピューター技術】
参加の動機は、「恩返し」と語ってくださったのが印象的だった藤森さん。
派遣先は、日本とマレーシアの両政府によって設立された日本マレーシア技術学院という職業訓練校。しかし、日本の大使館や日系企業への認知度が低く赴任当初参加した就職フェアには1社も日系企業が参加していなかったそう。
無いない尽くしだった一方で、突然やってくる予算に翻弄されながら活動をおこなった2年間だったそうですが、学生と講師の挑戦心を育むことができたと多くの成果をお話してくれました。
職場の講師たちへの技術移転も無事に終え、帰国前に開催された就職フェアでは日系企業が全体の3分の1に増えたそうです。

活動報告のほかに、今回は世食料デーのイベントということでマレーシアの料理についてもたくさん紹介していただきました。

【画像】 

                  マレーシアでの活動を紹介する藤森さん
 

楽しく工夫してフードロスの改善を目指そう!

第二部では、10月16日の世界食料デーに関連するイベントとして、映画「0円キッチン」の無料上映会を行いました。
この映画は、多くの先進国も抱えている『食料廃棄(フードロス)』の実態や対策についてスポットを当てたドキュメンタリーで、ジャーナリストで“食料救出人”を名乗るダーヴィド監督が、ヨーロッパ5ヵ国で見つけた素敵な取り組みを、楽しく紹介しています。

今日、地球上では食料の3分の1が廃棄されています。これは20億人が食べるのに十分な量でもあります。
すべての人が食べるのに十分な食料が生産されている一方で、8億1,500万人(世界人口の9人に1人)がいまだに満足な食事を得ることができない生活を送っています。世界の食料の配分はとても偏っていると言えるのではないでしょうか。

「0円キッチン」では、先進国であるヨーロッパ5ヵ国での様々な取り組みを紹介しています。大事なポイントは、楽しく工夫しながらどうやって『フードロス』という大きなテーマに立ち向かうかということ。
2050年に向けて世界の人口が100億人に迫ると言われるなか、廃棄される食料や、今までは食料として認識されていなかった食材を利用し、みんながお腹いっぱいになれる方法を探しながら旅するダーヴィド監督の姿は、私たちにとっても決して他人事では無かったと思います。
来場者の方々からは、「映画を見てドキッとさせられる場面も多かった。これからは買い物の際、必要なものを必要な分だけ買うことを意識したい。」「消費者として、ただ闇雲に消費するのではなく、消費者だからできることを考えたい。」等、たくさんのお声をいただきました。
『フードロス』というと、生産者や流通関係者にスポットが当たりがちですが、消費者として、使う(消費する)責任を意識することも『フードロス』に立ち向かう第一歩なのかもしれません。
このイベントをきっかけに、少しでも「私たちにできること」を意識していただければ嬉しいです。

これからも、世界の現状や様々な課題をみんなでシェアできるようなイベントを企画していきます。
JICA北海道のホームページやFacebookを、是非ご確認ください!

(文責:JICA北海道 市民参加協力課 細川 知世、野々垣 真実)