ノーベル平和賞受賞記念イベント「女を修理する男」映画上映会満員御礼!

2019年1月24日

沢山の関心をいただきありがとうございました!

JICA北海道では、今年8月に横浜で行われる第7回アフリカ開発会議(TICAD7)に向けて、アフリカとつながるイベントを企画しています!
その第一弾として、2019年1月19日(土)教育文化会館講堂にて、映画「女を修理する男」無料上映会を開催しました。
定員を超える事前申し込みをいただき、当日は146名の方々にご来場いただきました。

コンゴ民主共和国で起こっている性暴力・紛争の実態

国連UNHCR協会山下さんによる、コンゴ民主共和国からの難民女性のメッセージ紹介

2018年ノーベル平和賞受賞者は、コンゴ民主共和国のドニ・ムクウェゲ医師と、イラクの少数派ヤジディー教徒の権利擁護を訴えてきた活動家のナディア・ムラド氏の2名。
世界中の紛争下で起きている、性暴力との闘いが評価されての受賞でした。

今回上映した映画の舞台は、「女性と少女にとって世界最悪の場所」とも描写されるコンゴ民主共和国東部。
ノーベル平和賞受賞者であるドニ・ムクウェゲ医師は、紛争が続く地域で、性的虐待やレイプの身体的・精神的な傷に苦しむ女性らの支援に20年以上取り組んでおり、このドキュメンタリー映画ではその様子が記されています。

ドニ・ムクウェゲ医師は、レイプを「大量破壊兵器」と表現しています。
最もお金をかけずに、被害者のみならず、その周りのコミュニティーに大きな打撃を与えることができる性暴力は、卑劣な兵器であり撲滅されるべきものでもあります。
しかし、最も弱い立場にある女性や子供たちの訴えは、届くべきところに届かずにもみ消されていき、社会の仕組みはなかなか変わっていきません。
この難しい問題に、医師であり男性の立場から声をあげ真正面からぶつかっていくドニ・ムクウェゲ医師の姿は、来場者に大きな衝撃を与え、現在進行形で起きているこの問題をしっかりと考えなくてはいけないと意識づけてくれました。

女性の権利を守るためには、男性の行動が不可欠。

ジェンダーの問題は、女性と男性両方が取り組まなくては解決しない課題。
この映画から、それぞれの意識・行動が変わっていくことを願っています。

映画終了後のトークでは、国連UNHCR協会の山下芳香さんより、ウガンダで出会ったコンゴ民主共和国からの難民についてお話していただきました。
紛争が起こる背景には、「豊かな資源」をめぐる周辺各国の争いがありますが、この国で産出されるレアメタルの恩恵を私たち日本人も受けており、この紛争に私たち日本人も無関係ではないと言えます。
つまり、映画「女を修理する男」で描かれていた問題は遠い世界の悲劇ではなく、私たち日本人が忘れてはいけない、意識しなくてはいけない問題です。

私たちひとりひとりの力は決して大きなものではないですが、この現実に起きている問題を伝える事、大切な人を守るために声をあげる事、日々日本で起きているジェンダー問題に関心を持つことなど、小さくても確実に社会に影響を与える行動が出来ると思います。
是非今日からできることを、一緒にはじめていきませんか?

            (文責:JICA北海道 市民参加協力課 野々垣 真実)