2019年3月4日
2019年は横浜で第7回アフリカ開発会議(TICAD7)が開催される、記念すべき年。北海道を始め、日本各地でアフリカのイベントが開催されています。3月3日にJICA北海道(札幌)と札幌国際交流館で行われた「アフリカフェスティバル2019 in 札幌~アフリカを知ろう、食べよう、遊びつくそう!~」には500名を超えるお客様が来場して、アフリカ支援の活動を行う団体やアフリカ人たちと一緒に楽しい1日を過ごしました。
「どれに参加しようか迷いました!」という声が聞こえたくらい、様々なプログラムを詰め込んだこの日。
札幌国際交流館のロビーではJICA北海道を含めた8団体が、イベント開催時間中ずっと楽しめるブースを出展。ふだんアフリカとの接点がないお客様も、「アフリカに関わる活動をしている団体が、北海道にこんなにあったなんて!」と驚きを隠せない様子でした(都合がつかない団体もあったので、)。アフリカに魅せられて支援を行う市民の皆さんや学生さんの思いに触れて、活動を知ったりアフリカグッズをお買い上げしてみたり、アフリカビーズを作ってみたり、皆さん思いおもいの時間を過ごしておられました。
JICA北海道ブースでも、青年海外協力隊やJICA事務所員としてアフリカでのシゴトを経験したスタッフがお出迎え。青年海外協力隊の募集期間だったこともあり、応募相談に十数名もの方がお越しになられました。
トークプログラム「アフリカ×シゴト女子」では、青年海外協力隊を経験してアフリカのソーシャルビジネスに関わってきた女性3名がステージに。シアバター作りで現地女性の生計向上支援に関わってきた森重裕子さん(ブルキナファソ)、日本発祥の置き薬のシステムを導入して安価で安心な医療環境を整える活動をしてきた町井恵理さん(タンザニア)、職業訓練校を卒業した現地の障がい者たちと日本のアパレルビジネスをつなげた丸山ちさとさん(ガーナ)。三者三様の活動と、「思ったように仕事が進まないこともあるが、彼らなりの理由があるはずなので、それをゲーム感覚で想像するようにしている」、「色々あるけれど、それでもやっぱりアフリカの人たちから多くを学ばせてもらってとても感謝している」、「今の仕事は決して儲けがたくさん出ているわけではないけれど、儲かるようにしていかないといけない。お金がエネルギーになる」という経験者ならではのお話しをたっぷり伺うことが出来ました。プログラム終了後もシゴト女子たちと直接お話ししたいという方々の列が途切れず、特に進路に悩む学生さんたちは、背中を押してくれるメッセージをたくさんお持ち帰りできたようでした。
その裏では、札幌国際交流館の体育室で、ブルキナファソ代表野球チームの9名と新しいアーバンスポーツ「ベースボール5」を楽しむ参加者のみなさん。この聞きなれないスポーツを紹介してくれたのはブルキナファソで青年海外協力隊を経験した出合祐太さんです。「アフリカで野球を通じてあらゆる可能性を育てる。チャレンジすることの大切さを伝える」のがライフワークだという出合さんは、普段は富良野市でパン屋さんをしていますが、実は、日本人にして初めて、ブルキナファソ代表チームの監督に就任した人。今回もクラウドファンディングでチームのメンバーを日本に呼んで、各地で交流活動をしてきました。
世界の課題が勉強できる道内初の体験型展示施設「ほっかいどう地球ひろば」では、ウガンダ編、ブルキナファソ編と各15分の施設案内ツアーを行いました。ウガンダ、ブルキナファソで青年海外協力隊を経験したOB・OGが、当時の思い出を振り返りながら施設をご案内。今回は特別に、ウガンダ人やブルキナファソ人もこのセッションに参加。
一度お話しを聞くともっと聞きたくなる出合さんのトーク。ステージでは再び出合さんが登場して、「TEDxSapporo登壇者 出合祐太さんが語る!できない理由はできる理由になる。~ブルキナファソが教えてくれたこと~」と題したトークイベントを行いました。アフリカで野球を教える活動を続けて、はや11年。たくさんの人を巻き込み、行動しつづける出合さんの不思議な魅力が、お分かりいただけるステージだったのではと思います。
レストランでは「エチオピアを知るコーヒーセレモニー体験」。エチオピアでは、女性が丁寧にコーヒーを準備してお客様をおもてなしする「コーヒーセレモニー」という文化があります。札幌在住のエチオピア人ラヘルさんが、コーヒー生豆から行うセレモニーの様子をみなさんの目の前で実演。生豆を炒った際の香ばしい香りが、レストランいっぱいに広がっていました。また、ラヘルさんと、北海道大学留学中のエチオピア男性が見せてくれたダンスで会場も大盛り上がり。珍しいパフォーマンスに200名近くの方がレストランに詰めかけ、立ち見が出るほどの大盛況でした。
ご来場の皆様にも、JICAの「参加型森林プロジェクト」が行われたエチオピアのベレテ・ゲラという地域で国際認証を取得したコーヒーを試飲していただき、コーヒーを楽しみながら、その豆を販売しているUCC上島珈琲さんからコーヒー生産現場のお話しを聞きました。プロジェクトの前後で農家の生活が大きく変わったことや私たちの飲んでいるコーヒーがエチオピアとつながっていることを感じられる貴重なお話しでした。
このプログラムの進行をサポートしてくれたエチオピアの元青年海外協力隊で幼稚園の先生の川村幹さんと観光隊員の鈴川雅未さんが、現地での活動について紹介してくれました。最後は再び川村さんから、エチオピアの子どもたちのためにみんなで作ったとってもキュートな「手洗いソング」をご披露いただきました!
イベントのクライマックスは、圧巻のステージライブです!
ケニア&セネガルからやってきたアフリカ人メンバー、「パーカッション・ユナイツ」が生み出すアフリカ太鼓のリズムに合わせて、北海道在住のアフリカ人の皆さんが、出身国で着ている服をかわるがわる紹介してくれる、なんとも珍しいファッションショーがスタート。カメルーン、ギニア、ナイジェリア、セネガル、ケニア、ザンビア、タンザニアの計7か国から大集合して、ステージに所狭しと並ぶ30名ものアフリカ人の皆さん!北海道大学に留学中のJICA長期研修員も参加してくれました。こちらのステージも大勢のお客様にお越しいただき、客席だけでなく通路や階段まで人でビッシリ。あっという間の45分間でした。
「アフリカを知ろう、食べよう、遊びつくそう!」というイベントのタイトルどおり、単に『アフリカ』と一言ではくくれない、様々な顔・色とりどりのアフリカをご来場の皆様にも体験していただけたなら何よりです。
今年のTICAD7関連イベントはまだまだ続きます。JICA北海道ではこれからも、市民の皆様に世界を感じ、つながり、親しんでいただけるような企画をお届けしていきたいと思っています。
(文責:JICA北海道 市民参加協力課 野吾 奈穂子)
主催:JICA北海道
共催:一般財団法人さっぽろ健康スポーツ財団
後援:北海道、札幌市、札幌市教育委員会、北海道新聞社、RCE北海道道央圏協議会
協力:PLANサポーターズ、札幌市男女共同参画センター