第5弾SDGsラジオ!企業が行う国際協力とJICA新入職員の思い

2019年7月17日

関心のあるSDGsのテーマとラジオ参加者

札幌市の地域ラジオ番組、FMアップル「香るパラダイス」がJICA北海道とコラボ。毎月1回の生放送で、SDGs(持続可能な開発目標)と国際協力について発信しています。
第5弾SDGsラジオは、前半は企業として国際協力に携わる株式会社レアックス札幌本社より成田昌幸代表取締役社長と営業部鈴木利実課長をお呼びして、SDGsにまつわるお話やボリビアの井戸の診断プロジェクトのお話を伺いました!
また、後半はこの春からJICA職員となった新入職員3名が国際協力への思いや国際協力に関わろうと思ったきっかけを語りました!

なぜかスーダンで売れた機材。そこから始まるSDGs。

レアックス社が関わるSDGs

実際にお持ちいただいた井戸カメラ

公共事業での地質調査に関する仕事(地質データの収集や機械の提供・サービスなど)を行う株式会社レアックス。
国内の事業も多くある中でなぜ、国際協力の道に関わるようになったかを成田社長にお話しいただきました。

最初のきっかけは、遠く離れたアフリカのスーダンでレアックス社の機材が売れたこと。実はそのプロジェクトにはJICAが関わっており、ここからJICAの仕事や途上国の業務に興味を持ったそうです。その後、JICAのシンポジウムへの参加や会社の体制の変化をきっかけにSDGsをより意識した事業展開をしていくこととなりました。

そんなレアックス社の成田社長が選んだ今後も関わっていきたいSDGsのゴールは、事業にまつわる「6.安全な水とトイレを世界に」だそうです。

続いて、鈴木課長から実際にレアックス社が携わったボリビアでのJICAプロジェクトについてご紹介いただきました。ボリビアでは、多くの井戸が掘られているもののメンテナンスがうまくできていないという課題がありました。そこで、レアックス社がもつ井戸カメラを使って課題解決ができないかと思い、ボリビアのプロジェクトを始めたそうです。ラジオ放送中には実際に、井戸カメラもお持ちいただきました。

この仕事で初めてボリビアを訪れた鈴木課長。ボリビアならではの苦労もたくさんあったそうです。空港の標高が4,061メートルとすでに富士山より高いボリビアの首都ラパスでは空気も薄く高山病の危険も伴います。他にも、井戸カメラをスーツケースに入れて持ち運んだ際はミサイルと間違えられることもありました。

この事業をきっかけにSDGsを強く意識したレアックス社では、他にもSDGsに貢献できないかと思い「4.質の高い教育をみんなに」に興味を持ったそうです。現在、災害の多い日本ならではの協力として、地球科学の教育イベントを行っています。実際にバーチャル・リアリティ(VR)を使って井戸を探検するイベントは子供も大人も楽しめるイベントとして大盛況だったそうです。

JICA新入職員の国際協力へのそれぞれのきっかけ、それぞれの興味

メキシコでインターン中の黒神職員

カンボジアでのボランティアツアーの写真

トルコで留学中の富重職員

後半は4月からJICAの本部で働き始めて、研修でJICA北海道に来ていた新入職員3名から、国際協力に関わるようになったきっかけやそれぞれJICAの業務以外でSDGsにどのように関わっているのかについてお話しをさせていただきました。

青年海外協力隊事務局に所属している黒神職員が国際協力に興味を持ったきっかけはアメリカ留学中にメキシコのNGO(持続可能な観光を行うNGO)で経験したインターン。そこで、貧困による負の連鎖を実感し、生まれた場所によって人生を左右される社会を変えたいと思い、国際協力に携わろうと決意しました。
SDGsには、学生時代に関わっていた国際教育団体を通じて貢献しています。そんな黒神職員が関心のあるSDGsのゴールは「4.質の高い教育をみんなに」です。

地球環境部 森林・自然環境グループに所属している私、金岡は、カンボジアで体育を教えるボランティアツアーに参加したことがきっかけで国際協力に関心を持ちました。その後、大学院で学んだ環境経済学をきっかけに自然資源にまつわる国際協力に携わりたいと考えるようになりました。現在は、学生時代に取り組んだ学生団体(ソーシャルビジネスで途上国の教育支援を行う団体)の活動の支援を通じてSDGsに貢献しています。今後も関わり続けたいSDGsのゴールとしては、大学院時代の専攻や現在の所属部署にも大きく関係する「13.気候変動に具体的な対策を」です。

社会基盤 平和構築部 運輸交通情報通信グループの富重職員が国際協力に興味を持ったきっかけはトルコ留学中にシリア難民を身近に感じ、日本のNPOでも難民の日常生活支援などの活動していたこと。その中で、大学院で学ぶ理系のバックグラウンドを活かして難民の支援をしたいという思いを抱きました。社会人になった現在も、難民と外国人に共通の課題があるのではないかと感じ、地域の国際交流協会で多文化共生について話を聞く活動をしています。
そんな富重職員がテーマに掲げるSDGsのゴールは「9.産業と技術革新基盤をつくろう」。ITやドローンなどの最新技術を活用した国際協力に興味があるそうです。

SDGsは人や企業によって様々な関わり方があります。この番組が、SDGsを身近に感じる一助になれば幸いです。

                      (文責:地球環境部 森林・自然環境グループ 金岡 武蔵)