民間企業による道路維持の現場に感激!アジアの道路行政官

2019年9月17日

 JICA北海道(札幌)では地域開発、保健医療、農畜産業、教育、社会基盤整備といった分野でアジア、アフリカ、中近東、中南米などの開発途上国の技術者・行政官などを対象とした研修を、道民の方々の協力のもとで行っています。


 今般、9月初旬に来日した道路維持管理のJICA研修の現場をご紹介いたします。日本では主要道路の舗装は99%以上であり、維持管理が重視されていますが、舗装率の低い途上国でも将来を見据えて既存道路の維持管理が求められるようになってきており、アフガニスタン、モンゴル、ミャンマー、パキスタン、タイ、イラクから8名がJICA研修に参加しています。研修員たちは、札幌市白石区の道路維持管理会社を訪問しました。


 札幌建設運送㈱は、小樽から北広島を結ぶ国道の管理と、札幌市内6千キロの市道を他の民間会社と協働して維持管理を行っている会社です。夏場は道路の補修、冬場は除雪や凍結防止剤散布が主な業務です。この日は会社概要、普段の道路維持管理についての講義、補修の実演をしていただきました。


 途上国の道路管理は政府主導が一般的であり、民間が主体的に動くことはほぼないそうです。破損を見つけるためのパトロール、ひび割れや小さい穴を応急的に埋める作業等、民間主導で維持管理を行い、発注者である行政機関に報告する仕組みを聞き、皆驚きの顔を見せていました。


 タイから参加のキティさんは「タイは政府主導だが、最近ようやく民間委託が為されるようになってきました。日本もタイの状況と同様の時期を経て、現在の仕組みに至っていることを知り、とても感銘を受けました。」と語ってくれました。一行は10月12日迄北海道に滞在し、北海道の道路維持管理技術を学ぶ予定です。