国際協力出前講座「地球規模の課題に立ち向かう」(2020年2月21日北海道札幌北高等学校)

2020年3月2日

全道が雪に覆われた2月、札幌北高等学校にてJICA国際協力出前講座が行われました。国際協力出前講座とは、開発途上国で活動してきたJICA海外協力隊員やJICA職員を講師として派遣し、活動していた国のことや、生活事情など現地の様子を聞くことで国際協力について考える講座です。

今回の講師はアフリカで活動していた元隊員

カラフルな民族衣装とハウサ語の挨拶で登場

「アッサラームアライクム!」の挨拶から始まった今回の講座。民族衣装を身に着けて登場したのは、西アフリカにあるニジェール共和国でコミュニティ開発として活動してきた大倉綾さんです。ハウサ語で話しかけられ最初は戸惑っていた生徒の皆さんですが、「もしかしたら名前を聞かれているのかも?」と察し、自己紹介をしてくれた生徒さんもいました。自己紹介の中で大倉さんは、学生時代にカンボジアでストリートチルドレンにお金を恵んだ経験を話し、それが青年海外協力隊に参加するきっかけになったと言いました。「みんなだったらどうする?」の問いかけに、頭をひねる生徒たちの姿が見られました。

テーマは「地球規模の課題に立ち向かうために」

ニジェールの暮らしに関するクイズはなかなか難問

大倉さんは、ニジェールでの生活の様子を写真で紹介。国土の4分の3をサハラ砂漠が占める厳しい自然環境の中、たくましく、工夫しながら暮らす人たちに「逆にたくさんのことを学んだ」と話しました。土でできた家や、頭に水瓶を載せて歩く女性、机も椅子も無い学校の写真などは、生徒にとって珍しいものが多かったようで、話の途中で出されるクイズでは写真を食い入るように見て考えているようでした。大倉さんは、幼い子どもたちが水や不衛生が原因で亡くなってしまう現状にも触れ、「最近は感染症や山火事など、日本に関係ある課題は大きくニュースで取り上げられる。でもニュースにならないだけで、毎日ちょっとしたことが原因で亡くなっている人たちもたくさんいる。それも日本に関係のない問題ではなく、地球規模の課題として一人一人ができることを考えて欲しいと思う。」と生徒に語り掛けました。

講座を終えて

最後に2019年に亡くなった元JICA理事長である緒方貞子さんの言葉を紹介して、約1時間の講座は終了しました。生徒からは「自分たちの暮らしが当たり前ではないことを知った。話を聞いて、自分たちにも出来ることがあるとわかったので、それを実行していきたいと思った。」と感想が寄せられました。今回の講座を受けて、一見自分たちとは無関係に見える人々の暮らしや課題が、実は自分たちの生活と密接に繋がっており、人として放っておいてはいけないことだと感じることができたのではないでしょうか。今後の札幌北高等学校の生徒さんたちのご活躍を応援しております。