【衛生】「世界トイレの日」イベントに参加して(ケドゥグ)

2015年12月10日

セネガル青年海外協力隊(水の防衛隊)、岡本隊員からの現地レポートです。セネガルでは、地方給水・地方衛生が重要な課題になっています。今回は「トイレ」に注目したイベントについてご紹介します。

皆さん、「世界トイレの日」という日があることをご存知でしょうか?
2013年に国連で定められた、トイレに関する問題を少しでも改善できるよう考える日です。セネガルでも制定された2013年から、この「世界トイレの日」に併せて毎年イベントが行われています。私は、今回「世界トイレの日」イベントに参加するため、初めてケドゥグ州へ訪問しました。
ケドゥグは、ダカールから東へ約700kmのところにある内陸部で、マリ、ギニア、ガンビアの国境と接する州です。ダカールを出発し7時間、タンバクンダ市を越えたあたりから、周りの砂景色が徐々に赤土色に変わります。道路沿いは木々で囲まれ、今までの地平線を見ながらの景色ではなくなり、自然豊かな風景に変わります。タンバクンダからケドゥグへ行く途中、野生のイボイノシシ、猿、マントヒヒなどが道路沿いに現れます。そして、ケドゥグ市内に入ると、ガンビア川の恵みにより、植物が生い茂り、家畜の食物が豊富にあるため、任地では見たことのない大きなサイズの牛やヤギなどがたくさんいました。
ケドゥグ市内の移動では、初めてイカダを使いました。ケドゥグ市内からガンビア川を渡る際、手動式のイカダがあり、最大自動車2台、2輪車、歩行者が利用でき、みんなで綱を引っ張り川を渡りました。(ちなみに、自動車と2輪車については有料で、歩行者は無料で利用可能です。)

【画像】

現在、タンバクンダ、マタム、ケドゥグの3州にてJICA技術協力のイジアス・リュラルプロジェクト(トイレ建設支援と衛生啓発を主としたプロジェクト)が行われています。このプロジェクトでは2013年はタンバクンダ、2014年はマタム、そして2015年はケドゥグにて、「世界トイレの日」のイベント開催を支援しています。(他パートナー支援により2015年はカザマンス地方、カフリン県、ンブール県でも実施)。

イベントでは、「ケドゥグ州知事・各支援団体の挨拶」、「ヒップホップ歌手による啓発ソング」、「地元劇団の寸劇による手洗いとトイレ利用の啓発」、「きれいなトイレコンクール(一般家庭トイレの清潔さを点数採点により評価し上位3位までを表彰)などが行われました。

プロジェクトでのトイレ作りの特徴として、一般的な支援の形態として見られる、地元以外の建設会社にトイレ建設を一括して委託するのではなく、プロジェクトでは、地元のマソン(フランス語で「石工」、主には大工)が衛生レベルの高いトイレを作れるようにトレーニングを行うことで今後新規のトイレ作りや修理についても地元住民でできるようになっています。
今回イベントに参加し、今後トイレを利用できる人がますます増え、衛生啓発の意識向上のため、自分自身も関わっていきたいと思いました。

(執筆:26年度3次隊 岡本 学)

【画像】

プロジェクトで建設されたトイレ。臭いがこもらないように煙突が付けられている。

【画像】

プロジェクトで建設されたトイレにはこのようなタイルが貼られる。このタイルを貼るのも住民にとっては楽しみのうちの一つのよう。

【画像】

見た目は穴が開いているだけのトイレではあるが、臭いやハエ対策の工夫もしている。

【画像】

プロジェクトで紹介している「手洗い装置」。現地で購入できるものを活用して、安価で設置ができる。

【画像】

「トイレの日」イベントでトイレ普及の重要性を紹介するセネガル側代表者。

【画像】

住民自らが寸劇や音楽を使ってトイレ利用の大切さをアピール。

(参考)「世界トイレの日」
2013年7月の国連総会で、11月19日を「世界トイレの日」(World Toilet Day / Journée Mondiale de Toilet)と定められました。世界のトイレ事情を調査し、開発途上国のトイレの普及活動に力を注いでいるシンガポールのジャック・シム氏が、2001年11月19日に、「World Toilet Organization(WTO)」を設立したことがきっかけです。
国連ミレニアム開発目標では、改善されたトイレが使えない人の割合を、1990年時点の51%から達成期限である2015年までに25%に削減することが掲げられています。しかし、1990年以降、およそ19億人の人がトイレを使えるようになったにもかかわらず、2011年時点でトイレが使える人の割合は64%であり、残り39%(約25億人)はトイレが使えません。なお、国連が推奨している「改善されたトイレ」とは、排泄物に触れることなく衛生的に処理されるトイレを指しています。