【教育】アフリカ諸国向け職業訓練フェーズ4の開始(第三国研修 2015年〜2019年)

2015年12月14日

JICAでは、ある国に対して行った協力事業について、その成果が高く確認できた場合、周辺国への普及を目的として、協力を実施した国に周辺国の関係者を呼んで研修を行うという協力手法があります。これは通称「第三国研修」と呼ばれており、南南協力(途上国間の協力)の一つです。今回は、セネガルで行われた第三国研修について紹介します。

セネガル日本職業訓練センター(通称CFPT)では、1999年から第三国研修「アフリカ諸国向け職業訓練」を実施しています。電子・機械・制御工学などCFPTが強みとしている分野の研修を年1回開催しています。対象となるのは、仏語圏アフリカの職業訓練校で技術指導を担う若手・中堅の指導員たち。これまでにセネガルを含む16カ国からのべ280人以上が参加しました。

「モノづくり」を支える産業人材を育成するのが職業訓練校の目的ですが、仏語圏アフリカの多くの国では機材不足もあいまって、実際の授業は実技よりも理論中心になりがちです。そんな中、CFPTの第三国研修では実技とグループワークを重視し、参加者が持ち帰って実際に授業で使える模型や教材を作成。参加者からは、これによって生徒たちに具体例が示せて理解が深まった、グループワークによって協働精神が高まったという声が聞かれます。

CFPTではより的確に研修ニーズをくみ上げるために、研修に先立ち、参加者に事前レポートの提出を義務付けています。これによって各自が何を学びたいかを明確に把握するとともに、各国の職業訓練セクターの動向・企業のニーズ、指導上の課題等をヒアリングしています。また、研修中は一週間ごとに各授業の評価をしてもらう他、終了時には参加者・指導員・CFPT幹部が一同に集まって合同評価を行い、課題・改善点を次回の参考としています。

対象国では指導員が研修を受け、スキルアップできる機会が限られているため、第三国研修への参加自体がモチベーションアップにつながります。帰国後に母校でエレクトロニクス研究会を立ち上げ、これによってその学校がSchool of Excellence(優秀な成果を出した学校)に選ばれた例もあります(コートジボアール)。

しかしながら、それぞれの参加者が研修後母国においてどのようにその成果を共有しているかを把握し、そのインパクトを拡大するのは容易ではありません。第一歩として、今年の初回研修からはテーマごとに招聘国を限定し、各国からの参加人数を増やすことによって、インパクト拡大を狙うことにしました。今後は各国の関係機関を広く巻き込んだ体制作りが課題です。

(執筆:企画調査員 船川 夏子)

【画像】

CFPTでは実践的な技術を学べることで評価を得ている。

【画像】

フェーズ4開始のセレモニー