セネガルの人々の暮らしに触れて

2016年9月19日

こんにちは。私は現在、新入職員研修の一環として、セネガル事務所にて3か月間勤務をしています。様々なプロジェクトに関わりながら、現場で働く人々の努力や葛藤、その中で生まれる成果について学んでいます。この度、セネガル人の文化や価値観を知ることを目的に、3泊4日の農村での生活体験をしました。そこで見て、経験した、セネガル人の生活についてお伝えします。

村の状況とセネガルの家族

滞在先のヌゲルマラルは、首都ダカールから車で4時間ほど離れた場所に位置する村です。村には水、電気が通っており、病院や薬局、学校もあることから、基本的な社会インフラは整備されている様子でした。村の人々は主に農業に従事しており、他にも日用品の販売や裁縫等、お店を開いて生計を立てている人もいました。

宿泊先は、小学校の校長を務めるBaba Niyangさんの自宅です。Babaさん夫妻、子ども、親戚と、合わせて15名ほどが同じ敷地内に生活していました。

サラマレクム!

サラマレクムは、ウォロフ語で「こんにちは」という挨拶です。セネガル人は挨拶をとても大切にしており、滞在中も、すれ違う全ての人一人ひとりに挨拶をしました。簡単な挨拶だけでも、ウォロフ語で話しかけるととても喜ばれます。コミュニケーションの第一歩は、相手の大切にしているものを理解し、尊重することだと改めて実感しました。

テランガの心

セネガルは、「テランガ(助け合い)の国」と言われ、困ったことがあれば、お互いに助け合う精神を大切にしています。滞在中、子どもたちが誰に言われるでもなく私に椅子を用意してくれたり、目に砂が入って困っている時には綺麗な水を用意してくれたりと、セネガル人の気遣いの心に何度も触れました。
小さな子どもまで、こうした相手を思いやる気持ちを持っている理由の一つに、強いコミュニティの繋がりがあると感じます。子どもはコミュニティで育てる、という意識があり、親や兄弟姉妹関係なく、子どもが悪いことをしていたら叱り、良いことをすると褒めます。こうした中で、幼いころから、周囲の人と支え合うことの大切さや、対人関係の築き方を学んでいるようです。

家族のために働く

滞在中、買い物や料理、片づけは全て18歳の娘さんがしてくれました。朝起きて食事の準備をし、片づけると、暫く休んですぐに昼食の準備が始まります。その後時間が空いたと思うと、親戚が経営する小売店の手伝いをしていました。遊びたい盛りだと思いますが、嫌な顔ひとつせず、当たり前のように働く姿に驚きました。私が学生の時には、習い事に勉強、遊びと、自分の好きなことばかりさせてもらっていたなと感じます。その分、家事の大変さや、両親が支えてくれることの有り難味を、身を以て感じることが少なかったかもしれません。

モノを大切にすること

子どもたちと一緒に折り紙をしていたときのこと。新しい折り紙はたくさんあるのに、1度使った紙を何度も開いては、「もう一度教えて!」とせがむ姿を見て、モノを大切にすることの大切さを改めて感じました。生活の中でも、壊れた傘や破れた服を縫い直して長く使っていました。私自身の生活を省みて、古くなったら捨てることが当たり前になっていたことに気付かされました。

これから

今回の滞在を通じて、セネガル人の価値観や生き方に触れ、今一度「開発」や「発展」について考える機会となりました。
農村に住む人にとって、都会の豊かな生活は憧れであり、特に若者はダカールで良い職に就き、お金を稼ぎたいという想いを持っている人が多くいました。一方で、村の中にも経済格差はあり、都市へ出る機会を得ることのできるのは一定の経済水準を満たした家庭の子どもか、人との繋がりを持っている一部の人だけです。努力をすれば公平に機会を得ることができる社会を築くことは、人が希望を持って生きるために重要なことだと改めて感じます。
他方で開発の先に、先進国で課題となっているような希薄な人間関係や、大量消費・大量生産の習慣が生まれないよう、今の文化や価値観を守り、発展を続けてほしいと感じます。
今後JICA職員として、現地の人の考えを聞き、尊重し、そこで暮らす人々にとって真に良い開発が行われるよう、学んでいきたいと思います。

(執筆:一木 セネガル事務所 所員)

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滞在先の家

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魚を捌く、娘のAminataさん

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子どもたちと折鶴づくり