ダメもとでも住民と一緒に挑戦する

2016年4月6日

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新しく隊員が派遣される地域でのコミュニティ開発。カオラック州ンドンファン市からのボランティア要請内容は、農業・環境・保健など幅広い分野で、一緒に活動する対象も子ども、女性、市役所など自由に選択して良いというものでした。そこで、最初はいろんな人と話し、私を知ってもらい、どんな問題やニーズがあるのか知ることから始めました。

とはいっても私は大学卒業したて、かつ文系人間。ままならないウォロフ語。専門性や経験、知識も不足していました。そのため、住民から農業を、先輩隊員からかまど作りを、JICAの在外研修制度で稲作を、同期隊員からきれはじ布のリサイクル方法を学ばせて頂き活動しています。

現在は、特に農業関連の活動に力を入れています。最初は家庭菜園から始まりました。家のゴミ山を野菜畑にしたいという思いからでした。水、動物、仕事分担などいろんな失敗を乗り越え、希望者に学んだことを教えています。例えば、グループ農園をやってみようと思い住民に紹介してみましたが、グループ間での仕事の押し付けや住民の性格の違いがあってうまくいきませんでした。そこで、グループではなく家族(家庭)菜園に移行しました。すると収穫できなかった責任は自分達にしか問えないし、労力の無駄になるので、きちんと水やりや雑草の処理をやってくれるようになりました。また最初は私が農業を教えていましたが、住民と大型農家を繋ぐことで知識の共有を図りました。すると大型農家から野菜や木の苗を買う人がでてきて、農家にとってもプラスの要素が生まれました。

そのうち農家の人々と話す機会がふえ、彼らが落花生、ひえ、とうもろこし、豆など決まった穀物を作っていることが分かりました。そして、それが私のいる地域がセネガルの「穀物倉庫」と言われる所以だということに気付きました。しかし、なぜか普段お昼に食べるお米は作られていませんでした。農家の人や住民からは「稲作なんて、できるはずがない」と言われ、協力者はほとんどいませんでした。しかし、私はカメルーンの在外稲作研修で学んだこと「住民はやったこともみたこともないから出来ないと言っている」と考え、挑戦してみました。

実際、お米の畑を見た人、食べた人達が口コミで広げてくれたおかげで、稲作が可能である事実が広がり、稲作に興味を持つ人が増えてきました。今では毎日「お米はどこ?」とあいさつ代わりに話しかけられます。これから稲作農家の意見交換会と稲作講習会を任地周辺の人々向けに行う予定です。

そんな活動を続けてきましたが、穀物加工の新しい形を探ること、稲作を普及させること、女性の雇用創出をめざすことを目的に、ボランティアの活動経費を使ってポン菓子製造機を導入しました。ポン菓子を知っていますか?雷おこしのようなものです。私の実家にはポン菓子を作ってくれるトラックが来ていました。一度町の人々にも見て、食べてもらいましたが反応は上々。セネガル人は砂糖や甘いものが好き、そして自分達がたくさん作っていて安く手に入る穀物でお菓子が作れることに興味を持ったようです。お米だけでなくその他穀物やマカロニなども加工することができます。普段は人と同じものを作りたがるのに、よほど気にいったのか、自分たちで砂糖と牛乳を使ったりとアレンジを試みようとしています。セネガルで1台目のポン菓子機です。これが成功すれば付加価値をつけて新しい形でンドファンの特産品を売りだすことができるようになります。これから女性団と機械の使い方講習を行うとともにセネガル人の舌にあった商品作りを行っていきます。

日本にいるときはいろんなことに「できない」と諦めがちでしたが、セネガルに来てからは「やってみなきゃわからない」と挑戦するようになりました。この調子で任期終了までいろんなことをやってみたいと思います。

(執筆:26年度2次隊 コミュニティ開発 前田隊員)

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お米を精米中。機械が無いので手で精米しています。

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活動している村の様子。村人はいつも踊りが大好きで踊っています。わたしが行くといつも踊ってくれて、踊らされます。

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作ったお米でヤッサジェン(白米に魚、玉ねぎソースを載せたもの)作りました。「お米に味があっておいしい」「来年はもっとがんばる」と言ってもらえました。

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稲作の様子。

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村の女性たちにポン菓子機の紹介をする様子。