より良い小学校運営を目指して−教育の裏舞台から−

2016年4月15日

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「教育行政・学校運営」という聞きなれない職種、私の場合は、視学官事務所(IEF、日本の教育委員会のような組織)に配属され、セネガルの全ての小学校に設置されている学校運営委員会(CGE)、及び地域ごとのCGE連合(UCGE)の機能強化を中心に活動している。具体的には、1)全てのCGEへ働きかける活動、と2)個別にCGEへ働きかける活動、に大分される。

1)では、UCGEの代表などに配布する「CGE通信」の発行(メールでの配信及びIEFでの掲示)と、視学官によるモニタリングの支援を行っている。CGE通信では、IEFからの連絡事項だけでなく、CGEの会合開催時期の確認、住民参加者の集め方、実施可能な活動計画の立て方・実施の仕方など、1年目に蓄積した良い事例を紹介することで、CGE自身が活動改善に向けて自立的に行動できるよう促している。モニタリング支援では、主にCGEから提出される書類の整理とデータ収集、分析を行っているが、残り3か月の活動期間では、視学官と共に、より良いモニタリング手法を開発していくつもりである。

2)では、市内の新設校であるクンゲル第7小学校を選び、CGEの立ち上げから活動計画策定、実施、会合開催と継続的に支援を続けている。特に力を入れているのが、JICAプロジェクトである「学校教育環境改善プロジェクトフェーズ2(PAES2)」(2010年9月〜2014年8月)で開発された生徒の自習用教材「算数ドリル」を用いた補習授業の実施である。力を入れていると言っても、導入時に説明や研修を行ったくらいで、あとはCGEのメンバー、即ち住民によって運営されている。自分たちで工夫して問題を解決するなど、幸いにも現在のところ順調に運営されている。この調子で自分たちの運営能力に自信をつけ、次年度以降の活動もしっかり運営して欲しいと期待している。この補習授業の活動も、CGE活動の良い事例として、IEFでの掲示を通じて他のCGEへ紹介している。

この「算数ドリル」については、2015年9月には隊員向けドリル勉強会を主催し、他の隊員への普及も行っている。PAES2プロジェクトからのドリルデータ提供と、JICAボランティアの現地業務費を活用した印刷支援を得て、2016年3月現在、12名の隊員が各々の活動にて活用している。2016年3月には活用隊員による中間報告会を開催し、JICA専門家らとの情報共有を進めている。

任地であるカフリン州クンゲル県には、フランスの地方自治体や環境系NGOの援助が入っており、衛生環境の向上に向けた取組みが行われている。彼らの支援で、市内すべての小学校にゴミ箱と新しいトイレが設置されたが、ゴミは教室・校舎内外に捨てられており、トイレも綺麗とは言えない状況で、有効に活用できているとは言い難い状況であった。そこで、IEFの職員と共に、各学校に設立された「衛生クラブ」を中心に、衛生キャンペーンを行うことを企画した。先日、担当教員への説明を行い、キャンペーンが始まったところである。どうやらNGOら支援団体は、市内公共空間や住民家屋の衛生向上が第一の目的であり、学校までは手が回らなかったようで、期せずして互いに補完し合う協力体制が構築された。IEFとしては教育といった側面から、市全体の衛生環境の向上に協力できることになった。

こうした活動の際、意識していることは、「考え、進めるのはセネガル人」ということである。任期が終われば帰る存在。私が帰った後も、こうした活動が継続されていくよう願っている。今後も、彼ら自身が必要だ、重要だと思う活動ができるように、彼ら自身からアイデアが出てくるように、やる気が上がるように、維持できるように、側面から支援していきたいと思っている。

(執筆:26年度1次隊 教育行政・学校運営 澁谷隊員)

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IEFの掲示板にコミュニケーションツールの一つとして「CGE通信」を貼り、良い事例を共有する活動。

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IEFの掲示板で、「算数ドリル」の活用方法も写真を用いて出来るだけ詳細に紹介した。

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CGEの住民集会では、「算数ドリル」を使った補習授業についてなど、住民が関わる学校運営について話し合う。

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他のNGOが行った「クンゲル市衛生向上キャンペーン」にも参加して、学校での衛生環境向上を目指す。