セネガルで「黒子」になろう。−村で石鹸を作る−

2016年5月2日

「主役」ではなく、「黒子」に徹する

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セネガルに来て、早15か月。ずっと悩んでいるのが「どのような立ち位置で活動を進めていくか?」ということだ。
ボランティアは住民を率先するリーダーでもメンバーでもなく、彼らがやりたいと思っていることを主体的にやってもらうために「それとなく」補助する存在である。つまり、「主役」でなく、「黒子」のような存在であると思う。
それゆえ、自分のペースで引っ張っていこうとすると、たいてい失敗する。相手と同じ視点に立ち、歩幅を合わせ、ともに考え、成功や失敗も分かち合う。そのような「自発性から変化を導くこと」がボランティアの成果であると思う。

「やりたい!」を形にしたい

私はセネガルの手工業組合に配属され、ボランティアとして活動をしている。手工業組合は地域の手工業従事者の利益団体で、技術講習会や展示会の開催を通じて、組合員の技術向上や所得向上などに取り組んでいる。わかりやすくいうと、日本では農協が農業従事者のための利益団体であるように、手工業組合は手工業従事者のための利益団体なのだ。手工業従事者と言ってもたくさんの種類があり、布を織っている人やアクセサリーを作っている人、修理工や美容師もそれに含まれる。

1年目は、裁縫職人と共にアフリカ生地で作った浴衣やシャツの海外輸出を行ったり、ピースコー(アメリカから派遣されているボランティア)と協力して「起業家養成講座」を実施したりと、主に手工業従事者を対象とした活動を行った。2年目に入り活動の範囲を拡大し、手工業組合に登録されている村の女性団体とともに、石鹸作り・販売を行っている。
ある日、配属先の事務所に恰幅がいい民族衣装姿の女性が訪れてきた。「ウチの女性団体での活動を手伝ってくれないか?」とのことだった。
女性団体の村は、私の居住地から長距離タクシーと馬車を乗り継いで1時間ほど離れた所にある。会合に行ってみると、「養鶏をやりたい!」「染め物をやりたい!」と様々なアイデアが出てきた。その中でも特に石鹸をやりたいという人が多く、団体としてまず石鹸作りをすることになった。
ところが、私は石鹸作りの素人。それから、石鹸作りに取り組んでいる協力隊、ピースコーの人にアドバイスをもらったり、NGO団体を見学したり、ネット上の情報をかき集めたりした。また、同任地の隊員たちと実験を重ね、村でもできる石鹸のレシピを考案するところまできた。レシピ作りで特に気をつけたのが、シンプルに作ることができるということ。村の女性の多くは読み書きや計算にも慣れておらず、目盛を読むのも一苦労。日本とは全く前提条件が違う中、作りやすくすることに重きを置いた。また、石鹸にはセネガル人が好んで使っているシアバターをたくさん使用し、肌に優しい成分となっている。

石鹸がついに完成、これから販売へ

村に足繁く通い、人間関係作りも、資材・材料も準備ができた。
講習会当日、約束していたはずの代表が不在!というトラブルはあったものの何とか石鹸作りを終えて、待つこと2週間、ついに手作り石鹸が完成した。石鹸を一つ一つ、アフリカ布で包み、ラベルを貼って、商品が完成。住民との話し合いの結果、見た目の良くないものは自分たちで使用し、見た目がいいものは市内のホテルへ販売する方向で進めることになった。

現在、女性団体の代表とルーガ市内のホテルに営業活動を行っている。任期終了まで残り9か月ほど。石鹸作り・販売はまだまだ軌道に乗っているとは言えない。女性団体の現金収入が安定して入ってくるような仕組みができるように、これからも「黒子」として活動を進めていきたい。

(執筆:平成26年度3次隊 コミュニティ開発 原田隊員)

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一緒に活動する村の女性団体

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石鹸の作り方を説明する

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石鹸つくりを実演して見せる

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油などの材料をゆっくりと混ぜ合わせる

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できあがった石鹸をひとつひとつ慎重に切断する

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カラフルなアフリカ布でラッピングをして完成