スリランカでの活動と愛媛県西予市での生活(後編)

【写真】茂木 美津子(愛媛)平成23年度2次隊/スリランカ民主社会主義共和国/服飾
茂木 美津子(愛媛)

オープンした「BLUE KITCHEN 」外観

セルビア人である夫の作品

 そして、ここからが本当の、帰国後にどうするかです。
 今までずっと服飾に携わってきた人生ですが、スリランカで終盤に帰国後の事を考えて、また東京で服飾の仕事…と思ったら、“何だかつまらない”と感じたのです。2年間スリランカで生活して、それまで当たり前だった日本の都会の生活が、人間としてすごく不自然に感じられました。そこで、同じ日本でもまだ住んだことのない田舎では、まだ人間らしさが残っているかもしれないと期待して、田舎暮らしを検討しました。スリランカで知り合って帰国後に日本に呼び寄せていたセルビア人のパートナー(現在の夫)も田舎暮らしがいいという意見で一致。しかも、“スリランカと似たような温暖で海のある所“で探して、愛媛県西予市明浜町の「地域おこし協力隊」になりました。任期中は、地域の生活研究会の姉さん友達と一緒に、明浜の”山の恵み=みかんジュース“と”海の恵み=天草“を使った『飲む寒天ゼリー』を開発&イベント販売。その場でカップに注いでストローで飲んでもらう形態だったものをもっと拡大する為に、地元第三セクターのみかんジュース工場で商品化してもらいました。それが現在、㈱あけはまシーサイドサンパークで製造・販売している『飲むみかんジュレ』です。

 そして、日本語がいつまでたってもできずに就職できない元アーティストであり、大工であり、料理人である夫と一緒に田舎で生活するには…というのと、明浜で洋食を食べたければ都会までいかなければならないというのもあって、地域おこし協力隊の任期終了後、2018年の4月に明浜の素材を使って夫のセンスで料理屋さんのBLUE KITCHEN を開業しました。
 時間をかけてやって来たら格別の景色が見れる明浜ですが、明浜町内でも集落から離れた交通アクセスの悪い位置にあり、地元の方々から「誰もこんな所来ない」と言われている当店。
 それも承知の上での開業なので、まずは西予市の中心地宇和町の道の駅とスーパーの地産地消コーナーへパスタ弁当の卸売から始めました。

 そして、本当にこんな所までお客様がやって来るのかわからないけれど、とりあえず試しに挑戦!と海水浴シーズンに合わせて期間限定オープンしました。が、開店日=海開きの日に豪雨災害!幸い明浜町は人災こそありませんでしたが、床下浸水の家も多く、また、大事なみかん山が土砂崩れで畑がダメになってしまった農家さんも多々。同じ市内の野村町では大災害。お隣の宇和島市吉田町でも大災害。
 このような状況で、まだほとんど来客はありません。
 開業にあたって、愛媛で外国人(と日本人の夫婦)が開業という事もあって、テレビにも何度か取り上げられていますが、せっかくの宣伝効果がこのタイミングで…。でも、BLUE KITCHEN の売上につながる宣伝にはならなくても、テレビを観た方々には、明浜の美しさは宣伝できたと思うので、地域貢献出来てよかったです。
 また、BLUE KITCHEN は、夫の作品を展示しているギャラリースペースもあるので、よそから遊びに来られた方が、目的を終えた後にそれ以外に“何かちょっと”立ち寄る所、時間をつぶす所として活用して頂けたら嬉しいです。
 そして、日本人にはあまり馴染みのないセルビアにもここを通じて興味を持ってもらえたら、とても嬉しいと思います。