あれこれ考える理想と現実は違う!やってみることが大事だった2年間

【写真】西島 百合子さん(愛媛県)平成27年度4次隊/ガーナ/PCインストラクター
西島 百合子さん(愛媛県)

始まりは父親の「まずは、やってみなさい。」から

「協力隊に応募しようと思っている。でも、受かるかな、私でもやっていけるかな、、、」。
そんな「やりたいけど、でも、でも、」とデモデモ星人だった私。そんな私に父親は「やりたかったらまずは応募してみればいいじゃないか。落ちたらその時はその時、受かったら受かった時に考えれば良い。」と背中を押されたのだった。

西アフリカのガーナでパソコンの実技を教える

私の任地での職場は「タマレ教員養成校」という教員になるための専門学校だ。「教員資格を持っていればとりあえず何とかなる」。そんな感覚で資格取得を目指す子たちばかりだった。真面目にガーナの教育を変えるために子供たちの先生になるんだ!なんて熱い生徒がいた日には感動ものだ。
私はそんな学校でパソコンのOn/Off、マウスやキーボード、Word、Excel、Powerpointの実技を教えることになっていた。「先生!このパソコン動きません!」「ん?どれどれ、、、?」良く見るとコンセントが入っていない。そして、ダブルクリックの意味も分からず何度もシングルクリックを「カチツ、カチッ」繰り返す。キーボードは右手の人差し指だけで打つ。
こうした問題は実際想定内だったため、大した問題ではなかった。一番の問題は生徒たちがきちんと授業に来ないことだった。理由は学校のスケジュールミスで他の授業とバッティングしていた、単純に寝坊、さぼり、停電、雨で外に出てこないなど色々あった。パソコンを使えるようになりたい!と生徒が授業に殺到してパソコンが足りない事態しか想像していなかった私は驚いたのがこの現実だった。

「パソコンを使えるようになる」から「パソコンを楽しく思ってもらう」に目標が変わった!

クラスの様子

クラスの様子

マウス練習用教材(福笑い)

なぜ授業に来ないのか?来ない理由を一つ一つひも解き、解決策の目星をつけてやってみる。ガーナ人の同僚に相談すると、授業がバッティングしている場合は教えてねと各教室をアナウンスして回ろうというので回ってみる。が、生徒は授業がバッティングしていても自分たちで伝えに来ない!仕方がないので、生徒がパソコンの授業と同時間帯に他クラスとバッティングしていないかを600人分の生徒一人ひとり、自分でもチェックした。
今までこの学校での授業は実技が少なく、机上勉強ばかりでつまらなかった。マウスゲームの導入や、自分たちの写真を使ってのWordドキュメント作りなど、とにかく来たくなる授業を作ることにも力を入れた。私は目標を「パソコンが使えるようになる」から「パソコンが楽しいと思うようになる」へ変更していた。授業内だけで実技は完璧に教えられない。彼らが自分自身で興味があることはすぐに覚える。ガーナ人のスマートフォンの操作は完璧だ。パソコンは図書室にあったり、親族の誰かはノートパソコンを持っていたり、パソコンも使える環境はある。自分たちで学ぶきっかけさえ作ってあげれば彼らは勝手に出来るようになるのだと思ったからである。

2年間の活動の結果は...!?

最後のお別れパーティで生徒と

授業に誰一人来ないという状況はなくなった。ただ、残念ながら激的な変化はない。彼らにパソコンを教えるには時間は不足していた。もっと教えたいこともあったし、教え方の工夫ももっと出来た。もっと早く、多くの行動をしていれば...という想いもある。ただ、中には「先生の授業は面白い」と言ってくれて積極的にパソコンをさわろうとする生徒、個人的に教えてくれと休みの日に毎日通い、人差し指でしかキーボードを打てなかったがブラインドタッチできるようになった生徒はいた。活動の成果は0ではなかった。

協力隊をやってみて思うこと

活動中は何もかもがやってみないと結果が分からないことだらけ。しかし、「まずやってみる」精神で行動してみると、頭の中の悩みなんて馬鹿馬鹿しくなるくらい簡単だったりした。行動しなければ失敗も成功もない。行動することが如何に大切かを実感したことで、行動力がついた。「まずはやってみる」これが私の2年間で得た学びである。
2年間、体験し吸収しただけで終わってしまったというのが実情なのかもしれないが、協力隊としての活動や成果は「はい、ここまでで終わり」ではない。ガーナで学んだこと、成長した自分がどう今後活動していくのか、これからだと思っている。

帰国後に選んだ道は再び協力隊

現在の活動 宇和島市の地域おこし協力隊

日本に帰国をして4か月後、縁もゆかりもない四国の愛媛県、宇和島市の地域おこし協力隊に着任した。ミッションは外国人に楽しんで貰うコンテンツ作りだった。
人を楽しませる仕事をしたい、ガーナの経験を活かしたい、と思っていた私にとってぴったりの挑戦だった。ガーナ帰りの私にとって日本を「外国」目線で見られる、英語が正しくなくても気にしない図太さもある、あれこれやってみる勢いもある。そして着任して7か月後、2019年の4月からは「Enjoy Uwajima Tour」という名のツアーサービスを開始した。うまくいかないことばかりだが、青年海外協力隊で経験した「行動を起こしてみることが大事」という精神で挑戦し続けている。