世界で一番暑い国で野菜栽培

【写真】藤原さん(徳島県在住)平成20年度2次隊/ ジブチ/野菜隊員
藤原さん(徳島県在住)

ジブチ共和国

アリサビエの町

 暑かったです。とにかく暑かったです。
アフリカの右上端の「アフリカの角」とも呼ばれる場所に位置するジブチ共和国に野菜隊員として派遣されました。

 私が派遣されたのはアリサビエという地方の町で、首都よりも標高が高い場所だったためいくらか涼しかったのですが、それでも毎日、照りつける太陽とノドの渇きに苛まれる日々でした。夏は毎日10リットルの水を飲んでいましたが、不思議と汗はかかずトイレもさほど行かず、あの水はどこに行っていたのだろうと思います。

満員にならないと出発しないバス

バスの車内

 バス移動は、本当に大変でした。
 首都からアリサビエへ移動するには小型バスに乗ります。ただでさえ小さなバスの4人掛けの椅子に大人5人がひしめき合います。とにかく満員にならなければ出発しないので、熱せられたサウナ状態のバスの中で両隣密着しながらひたすらに待ち続けること数時間、やっと満員になり出発です。しかし出発もつかの間、故障に次ぐ故障。まともに移動できたのは本当に数えるほどでした。

何の野菜が育つのか?

農業試験場

堆肥作り

 私の活動を紹介します。
私は農業省地方局アリサビエ支所で勤務していました。アリサビエ農業試験場で一体何の野菜が育つのかを調査する任務でしたので、18種類の種を毎月1度蒔き、何月に何の野菜が育つかを調べることにしました。ただ、この試験場の土はとても痩せていたためまずは堆肥を作ることにし、現地で簡単に手に入る材料のヤギや羊のフンと枯れ草のみで作りました。そしてこの堆肥を使用して栽培した結果、いくつか栽培の可能性を見つけることができました。

野菜の種ください

育った野菜

 いつ何の野菜が育つか分かりましたが、これらの野菜を実際に普及させるにはどうすればいいか。そこで、一度だけ農家の人たちに種を無料で配布して栽培してもらい、もしまた育てたいという人が居たら次からは購入してもらおうと考えました。そして、国連食糧農業機関(FAO)へ行き、種の援助をお願いしたものの、この結果は分かりません。 
 というのも半年後のローマの本部での会議で援助の決定がなされるそうで、私は3ヶ月後には帰国でした。
どうなったかを見届けることができないのも、任期が定められている協力隊ならではですね。

お米が育った

ネリカ1

ネリカ2

 ネリカというお米の栽培にも取り組みました。ジブチでネリカ栽培に取り組みたいと思っていたところ、西アフリカのベナン共和国でネリカ研修が行われることになり参加しました。研修の結果、「ジブチでネリカは育たない」と思いました。ネリカが好む土壌・気候・水が、ジブチのそれとは真逆でしたので栽培するのをやめようと思いました。
 しかし、たとえ育たないという結果だったとしても、なぜ育たなかったのかが分かるはずなので、それを次に繋げれば良いと考え直し、手作りの堆肥を使用して栽培に取り組むことにしました。
結果は、順調に育ちました。日々育っていくネリカを見ながら、勝手に結果を決めつけてチャレンジすらしないままでいることが、未来にどれだけ損失を与えるのかとても怖いと感じました。
 
 その後、少ないながらも収穫まででき、ジブチ農業省情報によると、初めてジブチでお米が育ったそうです。

現在

 試験場での勤務の他、村へ行き村の人たちと一緒に農業の未来に向かって活動もしていました。これがきっかけで、帰国後は小さな町や村の職員になりたいと思い現在は自治体職員をしています。この経験がなければ、おそらく自治体職員を目指していなかったと思いますので、協力隊の経験は私の人生を変える大きなものとなりました。そして二度とはできないとても貴重な時間でした。これからも協力隊の経験を忘れずに頑張りたいと思います