楽しく学ばせるには、まず自分が楽しく学ぶこと〜平成19年度 JICA四国 教師海外研修に参加して〜

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高松工業高等専門学校 機械工学科 准教授
福井智史

技術者を育てる学校だからこそ気になること

 私は日々の授業で、「君達は近い将来技術者になって世界中を飛び回って仕事をすることになる。世界と協調する技術者として活躍するためには、勉強をするだけでなく、今のうちにグローバルな視点を身に付けておく必要がある。」と言い続けて来ました。しかし、そう言っている私の渡航経験は限られており、実は誰かが体験を通して感じたことの伝聞を子供達に伝えているのでした。もっと本気で伝えたい、もっと本気で分かってもらいたい。そう思った時、伝聞ではなく私自身が開発途上国で体験して感じた国際理解とグローバルな視点を教育に活かしたいと思うようになりました。

意外なところにあるチャンス

 理想は持っていても、日々の忙しい学校業務に追われるのが現実です。海外で時間を掛けて学ぶチャンスは簡単には見つかりません。そのような中で、埋もれた回覧資料の中から見付け出したのがJICA四国が主催する平成19年度教師海外研修でした。研修目的、研修国、渡航条件、全てが求めている内容でした。私はすぐに資料を取り寄せ、職場に研修参加の伺いを申し出て応募準備に入ったのでした。日常業務に取組みつつも、自分が学びたいことに対しては常に心のアンテナを張っておくことの大切さを感じました。

研修成功の鍵は準備にあり

 昨年度の研修国はネパール。研修期間は約十日でした。その期間を有意義なものにするためには、事前の準備が大切でした。準備に充分な時間が取れなくても、ネパールの歴史と文化を調べたり、ネパール語会話を勉強したり、ネパール語の名刺を作ったり、自分の家族を紹介する冊子を作ったり、お土産を買い揃えたり。一緒に研修に参加するメンバーと連絡を取り合って分担して協力すれば、何とかなりました。

ネパールにどっぷり

 日本を出発してしまえば帰国までアッという間です。五感を研ぎ澄ませて楽しく学びましょう。日本との違いにショックを受ける事の連続かもしれません。でも、その一つ一つの驚きが、子供に伝えるエネルギーになるはずです。そして驚きが薄れないうちに、感じた事を参加者間で言葉にして話し合い、記憶と記録に留めましょう。忘れてしまうには勿体無い出来事の連続のはずです。

悩みの実践授業

 私がネパールへ行く前に計画していた実践授業の要点は4つでした。それは、日本からのODA活動、日本人技術者、日本製品、日本からの技術協力、それぞれの今後を考える事でした。しかし帰国後は伝えたい事が多すぎるという悩みを抱えることになり、授業内容を泣く泣く削ぎ落とし、計画とは大幅に違う実践授業を行う事となりました。これは、それだけネパールでの研修内容が濃密だったということです。これから参加を考えておられる先生方、皆さんの期待を裏切る事は決してありません。ぜひ、見て聞いて感じて来て、そして子供達に伝えて下さい。

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