国は違えども、できることが増えたときの喜びに変わりはありません。

【画像】上原翔子

高知県出身 19年度1次隊ネパール 養護隊員
上原翔子

青年海外協力隊への参加のきっかけ〜スタディツアー〜

  青年海外協力隊に参加する前は、大学生でした。大学4年の夏、自分の研究としてネパール・インドの障害児教育の調査を行おうと思い、NGOのスタディツアーに参加してネパールを初訪問。そこで見たネパールの知的障害を有する子どもたちの置かれる現状に対し、私でも何かできるのでは?と思ったことが協力隊に応募したきっかけになりました。

私の日々の活動〜ネパールの子どもたちに囲まれて〜

  現在私が行っていることは大きく分けて2つあります。
ひとつは、配属先であるマナバ養護学校で教員たちと一緒に知的障害を有する子どもたちに対して日々の授業を行っています。
もうひとつは、教員の質向上を目指して、首都カトマンズとその周辺の養護学校に行き、教員たちに教授方法などのトレーニングを行っています。この活動は同じ職種の協力隊とシニアボランティアとで協力して毎週1校のペースで行っています。このトレーニングの際に、日本の養護学校でよく歌われる手遊び歌などをネパール語に翻訳して歌うのですが、子どもたちは大興奮。「先生、もう一回!」と何度でも歌いたがります。ただ、メロディー楽器に合わせて歌を歌う文化があまりないネパール。ネパール人教師の音階はいまひとつで、次の日には全く別の歌になってしまうこともしばしばです。

【活動の1ページ】自閉症の男の子との出会い できることから、少しずつ

   私がマナバ養護学校に配属されてすぐに、新しい子どもが入学してきました。9歳の男の子。自閉症です。新しい環境になじむことが難しく、人とのコミュニケーションが苦手な自閉症。まだ言葉が話せない彼は学校で自分がどうしてよいかわからず、パニックを起こす毎日が続きました。トイレもどこでしてよいかわからず、教室のすぐ外でしてしまうことも。自閉症について、教員たちの知識はゼロに等しく、必然的に私は日々彼と向き合うことになりました。まずは日常生活に見通しを持ってもらおうと、朝登校してから下校するまでの活動の写真カードを作り、それを見せてみたり、自閉症の子どもたちが集中しやすいビーズ通しをさせてみたり、パニックの時には散歩に連れて行ったりいろいろと試行錯誤の日々が続きました。送り迎えに来る母親に、家での様子を聞くと、家では学校よりもパニックを起こしているとのこと。彼が少しでも落ち着いて日々を過ごせるように、それが私の願いでした。
ある日、彼が大好きなブランコで遊んでいると、突然立ち上がりました。大好きな遊びを自ら中断してどこに行くのかと思いきや、なんとトイレに自分から行っているではありませんか。それまでは、時間を決めてトイレに連れて行っていました。小さな一歩ですが、大きな進歩です。早速その日のミーティングで他の教員たちとこの喜びを共有。今では、「ババ(ネパールの子どもの言葉でお父さんという意味)」などの単語も少し出てくるようになりました。通常の子どもに比べて発達がゆっくりな子どもたち。国は違えども、できることが増えたときの喜びに変わりはありません。

ネパールの魅力「山山お祭り、そして山!」

   ネパールの魅力と言えば、やはりヒマラヤ山脈でしょう。特に山登りが好きなわけではありませんが、長期休みの楽しみはトレッキング。といっても、昨年挑戦したアンナプルナベースキャンプはなんと目的地直前におたふく風邪にかかり、標高3000メートルで熱にうなされました。今年は、世界最高峰の山、エベレストベースキャンプまでトレッキング に挑戦します。今年こそは、目的地まで登頂。もちろん、地上から望むヒマラヤもきれいで、南国植物であるバナナの木の先にヒマラヤを見ることができた日は感動でした。

 もう一つ、ネパール人に欠かせないのはお祭りです。さまざまな宗教と民族が混在するネパール。それぞれのお祭りを数えると、365日ほぼ毎日何かのお祭りがあるというほど、お祭りの多い国なのです。日本でいうお盆や奉納際はもちろん、犬やからすにお祈りをする日まで、その種類はさまざま。皆熱心にお祈りやお供えをするのです。トレッキングの道々で見る大自然に圧倒され、仕事よりもお祭りを大事にするネパール人に圧倒され、ああ、やはり人は生かされているのだなと感じるようになりました。そんなネパールにぜひ足を踏み入れてください。みなさんが滞在中にかならず何かのお祭りが行われるはず・・・。

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朝、皆でエクササイズをします。マナバ養護学校の運動場にて

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毎週火曜日はお散歩の日

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四国の先生方が訪問され、交流プログラムを行いました。子どもたちも大興奮!

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去年は無念のアンナプルナ。今年こそは。

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カトマンズに昔から住む民族、ネワール族の新年を祝うお祭り。若い男衆が神輿を担ぎます。