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香川県小豆島町 商工観光課 主事
藤井 愛子さん

藤井さんは、瀬戸内海に浮かぶ香川県小豆島の内海町出身。2005年から2007年まで協力隊員として、ニカラグアのグラナダ市で地域の若者が抱える問題の解決を目指して活動しました。ニカラグアでの活動を終え、帰国後は、ふるさと小豆島の町役場に就職し、現在は少子高齢化のすすむ小豆島で観光客の誘致を通じての魅力的な地域作りに取り組んでいます。藤井さんの協力隊時代の活動やなぜ現在の仕事に就こうと思ったのか、魅力的な地域作りを目指しどんな活動をしているのかなどについてお話を伺いました。

Q.協力隊に応募しよう思ったきっかけは?

大学時代、インドネシアで行われたワーキングキャンプに参加し、バリ島の児童養護施設で3週間ボランティア活動を行いました。そのとき初めて貧困の現状を目の当たりにし、貧困に苦しむ子どもたちのために何かをしたいと思いました。また、キャンプを通じ、経済的に貧しくても毎日を楽しく前向きに生きる人々とふれあい、大きな刺激を受けました。この経験から、より長い期間途上国で生活し、国際協力に携わりたいと思うようになり、協力隊への応募を決めました。

Q.協力隊時代、どんな活動をしましたか?

ニカラグアのグラナダ市にある保健省の管轄機関「グラナダ地域総合保健システム」で、地域の若者が抱える問題の解決に取り組みました。ニカラグアには若年層の妊娠や母子家庭、エイズ、暴力といった問題が見られますが、学校には保健・体育の時間がなく、若者が自分たちに必要な知識を身につけたり、ともにスポーツを楽しんだりする機会がありません。そこで、同じ機関に配属された他の隊員とともに、地域の子どもたちを対象にレクリエーションや性教育などを行いました。また、その中で、地域の子どもたちをグループとしてまとめ、リーダーを育てることを目指しました。

Q.協力隊員として活動する際、苦労したことはありますか?

子どもたちを対象とした活動は、主に、放課後や週末に行われましたが、はじめのうちは、なかなか参加者が集まりませんでした。また、ともに働く現地のカウンターパートにも活動の重要性を理解してもらうのが難しく、1年目は思うように活動できませんでした。しかし、活動を続けていくうち、一度参加した子どもが友だちを連れてくるようになり、徐々に地域の中で受け入れられていきました。帰国する頃には、参加者自身がリーダーとして、新しく参加した子どもたちに保健に関する講義をするまでになりました。

Q.協力隊としての活動の中でどんなことを得ましたか?

異なる文化や価値観の中で生活したことで、自分自身や日本を振り返る機会にも恵まれ、視野が広がったと感じます。日本から遠く離れたニカラグアで生活することで、日本にいる家族の大切さを改めて感じることもできました。また、たくさんの素敵な出会いにも恵まれました。ともに活動した現地の方の「ニカラグアは貧しいけれど、自分にとっては大好きな場所。そのニカラグアが少しでもよくなるように」と前向きに努力を続ける姿を見ているうちに、私自身の中にも自分の大好きな場所のために活動したいという思いが生まれました。私の大好きな場所は、自分が生まれ育った、ここ小豆島。小豆島にも過疎化など取り組まなければならない問題があります。世界中どこに行っても、ふるさとを思う気持ちは同じだな、と感じました。ニカラグアでの出会いから、地域社会のために役立ちたいと考えるようになり、現在の仕事に就くことを決めました。

Q. 現在のお仕事について教えてください。

現在は、小豆島町役場商工観光課に属し、小豆島町が運営する「オリーブナビ」という観光施設で働いています。「オリーブナビ」では、小豆島を訪れる観光客の方へ情報やサービスを提供したり、地域活性化のためのイベントを実施したりしています。

Q. 藤井さんは、「オリーブナビ」でどんなお仕事していますか?

現在、私が担当しているのは、広報、地元を元気にするためのイベント、そして、ボランティアガイドのコーディネートです。広報活動としては、ホームページを更新したり、県内外で行われる観光PRや移住促進のイベントなどで小豆島について紹介したりします。その際には、小豆島についての情報を提供するだけでなく、参加者の方に小豆島特産のオリーブを使ったリース作りを体験していただいたりしています。

Q. 担当しているイベントについても教えてください。

今年度は「小豆島まつり」というイベントを担当しました。このイベントは、観光に訪れた方にも楽しんでいただけますが、本当のねらいは地元の人たちを元気にすることです。小豆島出身者が帰省するお盆の時期に開催し、小豆島で暮らす人たちと島から出て生活している人たちが一緒になって夏祭りを楽しみます。毎年、違った企画が計画されますが、名物は小豆島観光の玄関口、内海湾の夜空に打ち上がる花火。大都市のように人ごみを気にすることなく、湾いっぱいに広がる大きな花火を楽しむことができます。

また、今年度、小豆島では「第3回全国醤油サミット in 醤(ひしお)の郷小豆島」という一大イベントが開催されました。醤油サミットは、全国の自治体・企業が醤油を世界に発信することを目指し、毎年行われているもので、今年で3回目を迎えました。醤油は小豆島にとって大切な産業。このイベントの開催にあわせ、町内全ての小学校での「しょうゆもの知り博士」による出前授業や醤油感想文コンクール、醤油蔵フォトコンテストなどが行われました。これは、地元の人たちに、特にこれからの世代の子どもたちに自分たちの町の誇れる産業をもっとよく知ってもらうことを目的としています。

Q.ボランティアガイドの活動についても教えてください。

ボランティアガイドとして登録されている方は、現在35名。団体のお客さまがいらしたときなど、島内のさまざまな観光施設からの要請に基づき、ボランティアでガイドを務めてくださっています。地域社会を大切に思い、地域に関するたくさんの知識をもち、それを発信してくださるボランティアの方々と接することは、自分自身にとって大きな刺激となります。

Q. 仕事上で大変なことはありますか?

この仕事に就いて今年で2年目。知らないことも多く、今はまだ日々の仕事をこなしていくので精一杯の状態です。この仕事を進めるうえで何よりも大切なのは地域の人たちとの関係。一つのイベントを実施するには多くの人たちの協力が必要です。そのためには、仕事だけでなく地域の行事にできるだけ参加して、地域の人たちとの関係を築いていかなくてはならないと思っています。大変なことも多いですが、島を訪れる人たちの笑顔やイベントに参加してくださった人たちの「楽しい」という声に仕事を続ける元気をもらっています。

Q.現在の仕事の中で、協力隊の経験はどのように役に立っていますか?

日々さまざまな人と接する中、協力隊の経験に関心を持ってくださる方も多く、話がはずみます。また、協力隊としての活動をやり遂げたことは自分にとって大きな自信となっていて、「何があっても大丈夫」「やればできる」という気持ちで何事にも飛び込んでいくことができます。

Q. 最後にこれからの抱負をお願いします。

小豆島は、現在高齢化、過疎化が進み深刻な問題となっています。それを食い止めるために移住定住促進事業や、少子化対策など様々な取り組みをしています。小豆島のような少子高齢化の状況は、数十年後の日本の姿であると感じています。将来、日本全体がそのような状況になったときに、小豆島が成功事例として捉えられるよう、一歩進んだ島でありたいと思っています。
この島には瀬戸内の景観や紅葉で有名な日本三大渓谷美の一つである寒霞渓(かんかけい)などの素晴らしい自然、醤油、佃煮、素麺、オリーブなどたくさんの優れた産業があります。若い世代が「こんなところに住みたい」と思えるような、世界中の人が訪れてみたいと思うような魅力的な地域作りが私の目標です。目標の達成に向け、島の魅力をどんどん発信していきたいと思っています。

藤井さんがニカラグアの人たちの明るい笑顔からたくさんの元気をもらったように、藤井さんの笑顔が小豆島の人たちや小豆島を訪れる人たちをきっと元気にしてくれることと思います。藤井さんのこれからの一層のご活躍に期待しています!

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オリーブナビ

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オリーブナビで勤務中の藤井さん

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オリーブのリース作りを紹介する藤井さん

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第3回全国醤油サミット

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地元醤油会社のもろみ蔵

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小豆島オリーブマラソン

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ボランティアガイドが小豆島情報を発信

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小豆島がロケ地となった映画の紹介スペース

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オリーブナビには小豆島の情報がいっぱい