自転車日本一周でつなぐ日本とモンゴル〜協力隊経験を子どもたちに伝えながら〜

【画像】愛媛県の協力隊OG:岩田紗知さん 新潟県の協力隊OG:内堀美津子さん


愛媛県の協力隊OG:岩田紗知さん 新潟県の協力隊OG:内堀美津子さん

 街はクリスマス一色のこの日。季節はずれに日焼けした彼女たちがJICA四国を訪問してくれました。昨年10月に新潟を出発し、ただ今、自転車日本一周出前講座の旅の真っ最中、岩田紗知さん(愛媛県出身で2008年1月〜2010年1月までモンゴルに「体育」という職種で青年海外協力隊として派遣されていました)と内堀美津子さん(新潟県出身で同期間、モンゴルに「青少年活動」という職種で青年海外協力隊として派遣されていました)です。1台15キロもある重い自転車と一緒に、ここまでの走行距離はなんと約3300キロ!過酷な旅にもかかわらず笑顔で語る彼女たちのこの旅への思いとは?

Q1.二人の出会いは? 

(内堀さん)協力隊派遣前の訓練所で出会いました。知り合って3年になりますね。モンゴル派遣中も活動していた場所は違うのですが、同期の仲間として帰国後もお互いの近況報告などをして連絡を取り合っていました。

Q2.自転車一周出前講座の旅を思い立ったきっかけは?

(内堀さん)実は二人とも自転車旅の経験があるんです。私は学生のときに学校のある東京から実家の新潟へ自転車で帰ったことがありました。いつかは日本一周したいと思っていました。ただ自己満足で終わるのではなく、少しでも社会還元できればという考えはありました。

(岩田さん)私は協力隊から帰国し、一人で九州一周をしました。自分自身は覚えていないのですが、昔から自転車の旅をしてみたいと周囲の人に言っていたらしいです。お互いのタイミングが合い、自分たちの強みである「協力隊経験」を活かそうと考えて、出前講座を行いながら日本一周しようということになりました。

Q3.出前講座の子ども達の反応は?

(岩田さん)自転車旅の姿のままで授業をすることもあり、先生っぽくないせいか、どこに行っても熱心に話を聴いてくれます。協力隊のことも初めて聞く子どもたちもいます。おもしろかったという感想を頂くことが多いですね。

Q4.この自転車一周出前講座で子どもたちに伝えたいこと、メッセージは何ですか?

(内堀さん)旅のテーマは3つあります。1.協力隊経験と今をつなげる 2.日本中をつなげる 3.日本と世界とつなげる。「つなげる」がキーワードです。私たちのモンゴルでの経験を伝えることで、モンゴルを知り世界に目を向ける、そんなきっかけ作りのお手伝いになればと思いました。私たち自身も、モンゴルでの経験を通じ、自分自身にとっての「大切なもの」を再確認することができました。恐らく、誰もがそれぞれ持っているはずです。ですが、それに気付いていない人が多いのではないかと思います。私たちの話を通して自分にとって「大切なもの」は何なのかを考え、大事にしていってほしいと思います。

(岩田さん)私は長年やってきたバスケットを通して、礼儀や忍耐力、人をまとめる力などたくさんのことを学び、得ることができました。そして、バスケットを続けてきたことがモンゴルでの国際協力活動にもつながりました。私たちの今の活動を通して「大切なもの」に気付き、また自分の回りの人の「大切なもの」を認める、自分のと同じように大切に思う心も持ってほしいと思います。

Q5.各地でOB・OGとの交流も行っていますね?

(岩田さん)旅のほとんどの宿泊先が各地の協力隊OB・OGのお宅です。どこに行っても、温かいおもてなしを受け、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

(内堀さん)お世話になった協力隊OB・OGはみな、任地も派遣時期も年代も異なる方々です。でも「協力隊」という一つの経験を通して思いを共有し、語り合う時間がとても楽しく、すべてステキな想い出になっています。

Q 6.この旅で一番嬉しかったことは何ですか?

(岩田さん)JICA地球ひろばで静岡県から来ていた小学校6年生1クラスに出前講座を行いました。そのときに出会った子どもたちと何気なく「また会おうね!」と約束したんです。数週間後、その小学校から今度は6年生全員に対して出前講座をしてほしいという依頼がありました。自転車で校門を通りかかったところ、なんと私たちの到着に合わせて6年生全員が出迎えてくれました!何気なく約束した再会。子どもたちが温かい拍手で迎えてくれたことにとても感動しました。

Q 7.逆に一番つらかったことは?

(岩田さん・内堀さん)ずばり、坂道!高知から愛媛の道はとにかく坂道、坂道、坂道!それに加え、強風にもあおられました。さらに寒さとの戦いもあり「ツライ」の一言でした。日に何度もパンクしたこともありましたが、比べものにならないですね。

Q 8.この旅で新たな発見はありましたか?

(内堀さん)モンゴルから帰国した当初は、日本の嫌なところばかりが目に付きました。モンゴルでは人と人の距離が近く、家族の絆が強いと感じていました。けれど日本では人間関係が希薄で、何かが欠けている気がしていました。でも今回、出前講座や各地の協力隊OB・OGとの交流を通して、日本人の心の温かさ、つながりの強さを実感しました。まだまだ日本も捨てたもんじゃない!という気持ちがでてきました。

Q 9.まだ旅の途中ですが、旅のはじめ頃と現在で自分自身の変化はありますか?

(内堀さん)根本的なところでは何も変わっていないと思います。変化ではないですが、感謝の気持ちをいかにして伝えていくか・・・これは、いつも心がけていることです。

Q10.今後の旅の予定を教えてください。

(岩田さん)1月10日から九州に上陸する予定です。大分、宮崎、鹿児島。その後、沖縄へ。再度、九州にもどり中国地方を経て、3月末には新潟に到着し日本一周の旅を終える予定です。

 旅が終わった後、どのような気持ちの変化が起こるかはまだ分からないと言っていたお二人ですが、岩田さんは教員になって、モンゴルや世界のこと、そしてこの自転車一周旅など自分の体験を子どもたちに伝えていきたいと語ってくれました。一方、モンゴルで家族の温かさを知った内堀さんは結婚願望が強くなったとか。この自転車の旅が終わったら、素敵な家庭を築きたいと語ってくれました。
 素敵な笑顔でインタビューに答えてくれたお二人。今回の自転車日本一周の旅の経験を活かして、それぞれの道を歩んで行かれます。

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内堀さん

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岩田さん

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素敵な笑顔で語る内堀さんと岩田さん

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出前講座の様子

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自転車1台の重さはなんと15キロ!

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寒い中、颯爽と自転車に乗るお二人に元気をもらいました。