地球市民を育むために[後編]

【画像】高知県高岡郡四万十町立七里小学校校長 坂山 英治さん

S57年度2次隊 パプアニューギニア 船舶機関 
高知県高岡郡四万十町立七里小学校校長 坂山 英治さん

四万十町立七里小学校の校長として、毎日子供たちの笑顔を作り続けている坂山英治先生。日本の、世界の、たくさんのことに触れ、心身ともに豊かな人間に育っていってほしいと、日本各地そして世界各地から様々な分野で活躍する人を呼んできてくれます。小学生の子供たちにとっていろんな大人のお話しは不思議の世界。みんないつも目を輝かせて著名人のお話に耳を傾けています。
地球市民を育む坂山先生のヒューマンストーリー、後編です。

教員をされていて、協力隊の経験が役にたっているなというご経験があれば教えてください。

協力隊の経験を子どもたちに話せることが一番役に立っていることでしょうか。また、協力隊を通じてネットワークが広がりいろいろな人との繋がりができたことで、国際理解教育に取り組む時に非常に役に立っています。現役の協力隊の方にお世話になって国際協力の体験を子どもたちにさせてあげることもできました。

反対に私が「協力隊OBなので国際理解教育がやれる」と言われることがありに戸惑いを感じます。協力隊の経験が「国際理解教育」の必要性を強く感じるきっかけなったことは間違いないですが、協力隊の経験或いは海外での活動の経験が無くても国際理解教育はできるし、興味を持って実践をして欲しいですね。

地元での国際理解の普及に積極的に取り組んでいらっしゃいますが、国際理解教育の浸透が難しいと感じる瞬間はどのような時ですか?

多くの人たちが持っている「国際理解教育」という言葉に対する固定観念を崩すことが難しいですね。先生方は「国際理解教育」の必要性は感じているとは思います。新しい指導要領の中にも国際理解教育の大切さが随分と多くあります。しかし、国際理解教育とは、「外国の知識を身につけること」と解釈している人が多く「自分は外国に行ったことがないから」「外国についての知識が乏しいから」「英語が話せないから」等の理由で実践できない。と思って端から取り組もうとしない先生が多いですね。そこに「地球市民教育」「開発教育」「ESD」等の言葉が出てくるともう異次元の世界のような反応をされます。「今、私たちは世界と結びついて生きている。そのことをもっと気楽に子どもたちに伝えていこうよ。」と思うことがありますね。国際理解教育は今の時代を生きる子どもたちに必要な教育であることをどう説明すれば理解してもらえるか難しいと感じます。

どうすれば学校現場で国際理解教育が受け入れられると思いますか?

自分の足下見つめることが地球市民教育(国際理解教育)の第一歩であること、今私たちは世界の国々と相互依存の社会に住んでいること。これらのことを解ってもらえれば、国際理解教育の必然性を感じてもらえると思います。
参加型のワークショップを用いた授業が「国際理解教育」「開発教育」には多いですが、その準備をする時間がなかなか取りにくいですね。そこで、JICAの出前講座やNGOと連携した取り組みが有効となってくると思います。その時大事なことは授業を外部講師任せにしないこと。児童の実態を一番理解しているのはそこの先生ですから、子どもたちに伝えたい目標を明確にして授業全体の指導は先生がする必要があります。
地球市民教育は、日本人の私たちだけに必要な教育ではなく全世界、地球に住んでいる人々みんなに必要な共通した教育としてこれから益々重要かつ必然性のあるものになっていくと思います。いや、していく必要があります。

子供たちに何を期待されますか?

 「地球人」として生きていって欲しいです。今私たちは世界の人々と相互に依存する社会に住んでいます。これからを生きる人たちは、世界のために考えをめぐらせ、行動していくことが絶対に必要です。海外で活躍する人だけを「地球人」と言うのではありません、高知の田舎から外に出ることがなくても、「地球人」としての自覚を持って生きてもらいたい。遠くの国で起こっている出来事をよそ事と思うのではなく、同じ地球の上で起こっていることと捉える感性を持つことです。たとえ、何もできなくて心を痛ますだけでもいい、今地球上で起きていることを自分のこととして感じることができるようになって欲しい。そのことがきっと自分の幸せにも繋がってきます。自分だけが幸せになれることは絶対にありません。周りが幸せになって自分も幸せになれます。世界に思いを馳せながら身近な人を幸せにしていくそんな人になることを期待しています。

関連リンク
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七里小学校にて

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坂山先生の授業風景その1

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子どもたちも積極的に手を挙げます

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坂山先生の授業風景その2

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子どもたちも興味津々