現地の人とともに街の発展を願いながら−ナミビアのスラムにて−[前編]

【写真】田村 嘉平さん(高知県出身)H22年度1次隊 ナミビア 土木
田村 嘉平さん(高知県出身)

アフリカをはじめとする、いわゆる開発途上国と呼ばれる国に興味があり、その実情を自分の目で見て、何か自分にできる事はないかと考えていた田村さん。建設会社での経験を生かし、アフリカのナミビアに派遣され、現地のスラム地区でインフラサービスの向上プロジェクトに携わりました。前編では、応募のきっかけから、日本人にはなじみの薄いナミビアでの暮らしについてお伺いしました。

応募のきっかけは何でしたか?

スラムを測量中の田村さんと同僚

アフリカをはじめとする、いわゆる開発途上国と呼ばれる国に興味があり、その実情を自分の目で見て、何か自分にできる事はないかと考えていました。30代になり、今まで働いた建設会社での経験をそういった国のために活かしたい、試したい、世界をもっと知りたい、アフリカでならば、日本とまた違う形の仕事に触れられるのではないかと思い、応募するならこのタイミングしかないと決断、応募しました。

ナミビアってどんな国?

広大な砂漠が広がる荒野(写真提供:JICA PHOTO LIBRARY)

ナミブ砂漠の夕焼け

日本人にはあまり馴染みが無い国かもしれません。ナミビアは1990年に南アフリカから独立したまだまだ若い国で、面積は日本の2.2倍ありますが、人口はたったの220万(日本の60分の1)しかいないという非常に人口密度の低い国です。

隣町まで500kmなんてところもあるナミビアは、そのほとんどが広大な砂漠や低木が広がる荒野で、原始の世界を垣間見ているような雄大な自然が残っています。またダイヤモンドやウランを始めとする豊富な資源を有していますが、その利益が利権を持つ白人と政治に関っている一部の黒人にしか利益が行き渡っておらず、貧富格差が世界一あるといわれる一因となっています。

映画にもなった原住民であるサン族(ブッシュマン)はご存じの方もいるかもしれません。近年ではブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーが、ふたりの間に生まれた女の子をナミビアで出産した事や、ナミビアや日本など世界の赤ちゃんの成長を追ったドキュメンタリー映画「ベイビーズ」で話題になりました。他には世界最古の砂漠と言われる国名の由来にもなっているナミブ砂漠が有名です。

現地での生活について教えてください

主食は、とにかく肉です。彼らは肉が無ければ何も始まりません。肉は牛・ヤギ・ロバ、狩りで取った野生動物の肉も食べられています。ただ肉だけだと費用がかさんでしまうので揚げパンやアフリカの伝統食品であるとうもろこし粉を熱湯で練ったポリッジ(シマ、ウガリなどと地域によって名前が変わる)を食べているといった感じです。

私が住んでいた街は、狩猟民族起源のダマラ族が主要民族だったので、特にその傾向が強かったのかもしれません。後はポテトサラダ、ニンジン、玉ねぎなどの野菜が少々でもあればラッキー、現地の男性は野菜は食べません。他にマカロニなども食べられています。

始めはヤギ肉なんて堅くてクセがあって・・と思っていましたが、道端でヤギ肉を焼いているおいしい店を見つけてから大好物になりました。信じられないほど柔らかくうまみがあって、何より安い。手の平サイズで50円くらいです。

街周辺の広大なサバンナには点々と農場があり、牛やヤギの群れが伸び伸びと飼育されています。牛・ヤギの飼育数は彼らにとってとても重要なステータスで、食用、商用の他に冠婚葬祭での屠殺に使われます。牛・ヤギの解体は日本では馴染みがありませんが、現地では日常です。子供もそばで見ながら解体を手伝ったり、日本ではまずない光景だなぁ、と思うと文化の違いを感じましたし、同時に命の近さも感じました。

あと現地人の生活に欠かせないのがロバ、移動手段や食用にもなり、また飼料が安く病気になりにくいロバは重宝されています。街ではロバ車が車に負けないくらい走っています。




>>次回は、現地での活動やナミビアで感じたことをお伺いします。