価値観が一変した、マーシャルでの2年間

【写真】桑原 直幹さん(香川県出身)H22年度3次隊/マーシャル諸島/理数科教師
桑原 直幹さん(香川県出身)

美しいマーシャルの海

中学校の時にテレビで見た、音楽で発展途上国の子ども達を笑顔にしている青年の姿が頭から離れず、自分もその青年のように途上国の子どもたちを笑顔にしたいという思いから、青年海外協力隊を目指すようになったという桑原さん。今回は、桑原さんのマーシャル諸島での協力隊の活動や、帰国後のこれからについてお話を伺いました。

協力隊参加へのきっかけは何ですか?

中学生のときあるテレビで、一人の青年が音楽を用いて発展途上国の子どもを笑顔にしているシーンを観ました。その姿が脳裏から離れず、私もその青年のように、途上国でボランティアとして活動し、子どもたちを笑顔にしたいという想いを持ち続け、大学卒業後すぐに青年海外協力隊への参加を希望しました。

協力隊に興味を持ってから、参加までの道のりを教えてください

大学で行われる協力隊の説明会に毎回参加し、卒業と同時に協力隊になる決意をしていました。初めは両親の反対もありましたが、協力隊の安全管理体制について話をして、何とか納得してくれました。
大学4年時の春募集で一次の書類選考で、健康面で不合格になりました。しかし、その年の秋募集で再度受験し、無事合格することができました。合格を知った時には、本当にうれしくて思わず叫びました。あの時の気持ちは今でも忘れられません。

現地での活動について教えてください

グジグ村の家族

授業風景

校内にあふれるゴミ

マーシャル諸島のグジグ村にあるクワジェリン高校で「理数科教師」として活動しました。G9(中学3年生)とG11(高校2年生)を受けもち、基礎数学と幾何学を教えていました。学校外では、現地の小学校の先生を対象にした数学のワークショップを行ったり、マーシャル諸島の高校生を対象とした数学の全国統一模試を実施したりしました。

また、校内のゴミが散らかっていたので、ゴミ拾い活動や清掃活動など環境教育も行いました。ゴミの問題は着任して一番驚いたことのひとつです。 生徒達は、昼食で出たゴミをその場にポイ捨てし、それを注意する教師もいなかったので、校内の至るところにゴミが散らかっていました。生徒達の意識を変えようと、みずから毎日昼休みにゴミ拾いを行いました。

初めは、生徒の反応も悪く、ゴミ拾いをしている目の前でゴミを捨てる生徒もいました。ゴミ拾いを始めて数か月がたった頃、一人の生徒がゴミ拾いを手伝いに来てくれました。そのくらいから生徒にも少しずつ変化が見えはじめ、ゴミ拾いをしているとゴミを私のところに持って来てくれるようになりました。そこで、職員会議で先生と生徒が一緒になってゴミ拾いに取り組むことを提案し、それから校内は見違えるようにきれいになりました。

苦労したこと、それをどうやって乗り越えましたか?

生徒も大切な家族

赴任して2か月ほどで、英語とマーシャル語、両方の言語の壁にぶつかりました。赴任先では、日本人は私ひとりだけであり、日本語で相談できる相手がいませんでした。そのため、家の付近に住んでいるネコに日本語で話し、ストレスを発散させていました。
語学力は話をしないことには伸びないので、外に出て生徒や村人とたくさん会話をしていくことで、少しずつ覚えていくことができました。子供達は一番のマーシャル語の先生でしたね。

協力隊での経験をこれからどのように活かしていきたいですか?

時代はグローバル社会になっているので、これからの未来を担う子どもたちを国際社会で通用する人材を育成していきたいと考えています。自身は教師を目指しているので、貴重な2年間の経験を子どもたちと共有していき、彼らの価値観を広げていければいいと考えています。

協力隊を目指す人達にメッセージをお願いします

協力隊になるための必要条件はたくさんありますが、健康面をクリアしなければ、合格はありません。もし、自分の体に問題があるようでしたら、いち早くそれを治す必要があります。私が一回目に受験した時、不合格の原因が健康上の問題でした。それ以降は、問題を改善するために、食事や運動を適切に行い、無事に合格することができました。

協力隊を経験することで、日本では絶対に味わうことのできない経験であり、価値観が一変します。なりたいという気持ちがあるなら、ぜひ参加することをお勧めします。