【出前講座】高知県立東高等学校の看護専攻科の生徒を対象に出前講座を実施しました。

2018年4月5日

2017年度、高知県立東高等学校の看護専攻科2年生を対象に、「国際看護」の分野で全6コマ、3名のJICAボランティア体験者が出前講座を実施しました。学生から届いた各講義への感想を、講義内容とともに一部ご紹介します。

2017年11月14日

村上野志夫さん

一人目の講師は、タンザニアにて理学療法士として活動された村上野志夫さん(青年海外協力隊)。まず映像や音を用いて、タンザニアの人々の生活や配属先の病院でスワヒリ語でラジオ体操を行った時の様子を紹介しました。その後、村上さんが実際に担当された患者さんとの事例を用いたワークショップなどを体験し、学生たちは、看護環境や制度が整っていない中での看護師のあり方について真剣に考え、意見を述べていました。

(下記、学生の感想)
◎青年海外協力隊と聞いて、貧困・紛争・感染症などマイナスなイメージを強く持っており、命の危険があるため怖いと思っていました。講義を聞いて、現地の方は明るく優しい方ばかりなのだと、これまでの先入観はなくなりました。

◎ボランティアは与えるだけの一方通行なものだと思っていたけどそうではないということも知った。活動を通して様々な経験をしたり、他国の文化や人と接する中で、自分自身が何を大切にしたいと思うのか基準を作ることができたり、人から必要とされ大切にされるという体験を通して、自分自身も誰かの力を必要とし、大切にすることができるようになったりと、ボランティアをする側の人にも得るものは大きいということを学ぶことができた。

◎青年海外協力隊は任期が2年あるため、参加するには敷居が高いように感じていたけれど、どのような職種でも参加できたり、年をとっても参加しやすいため、人生の選択肢の一つとするのも良いと思った。国内で医療が発展する中で、日本だけで良いというのではなく、世界に目を向けて国際的に水準を上げることが、全ての人がQoL(生活の質)を高めて生活するのに大切だと思った。

2017年12月6日

下司政代さん

二人目の講師は、カンボジアにて看護師として活動された下司政代さん(シニア海外ボランティア)。配属先の地方の病院には、断れずにベッド数を超す人数の患者が入院しており、廊下まで患者が溢れていて、点滴棒は木の枝、医療や廃棄物の処理も原始的で、まだまだ十分な医療活動ができる環境になく、モノの管理も人の管理もシステムができていない状況だったそうです。そんな中、5S(整理、整頓、掃除、清潔、躾)活動を導入し、皆が意識して看護環境を整備できる取り組みに注力したそうです。

(下記、学生の感想)
◎カンボジアと日本は、文化や経済力、環境も違い、驚きました。病院はさすがにきれいだろうと勝手に想像していたけれどそうではなく、感染源になりそうな水まわりや、高いベッドで過ごされている患者さんがおり、環境が整っていない現状を知ることができました。その中で(下司さんが実施された)5S(整理、整頓、掃除、清潔、躾)を導入し、現地のスタッフの考えや意識も変わっていったのではないかと思いました。

◎現地の状況を把握し、現地に合わせ、自分の知識・周囲の協力を得ながら活動する大変さがとてもわかりました。また、自分の夢を追いかけそれを叶え、加えて課題を見つけ引き続き夢に向かっている姿にとても憧れを感じ、私も何事も諦めずに取り組もうと思いました。

◎人と人とが助け合って協力し、困難なことを乗り越えていく、相互の結びつきを深めていくことが最も重要になってくるのではないかと思う。また、JICAの一員として海外で活動をしていく上でも、何かをしてあげるという考えではなく、現地の人と一緒になって取り組んでいくことが大切だと学ぶことができた。

2017年12月13日

高橋澄子さん

最後、三人目の講師は、ブラジルにて高齢者介護の分野で活動された高橋澄子さん(日系社会シニア・ボランティア)。学生たちは、地元高知からも多くの人がブラジルに移住されている歴史や、現在での日系社会の様子を写真を見ながら学んだ後、実際に看護師役と患者役に分かれ、ブラジルでの介護を体験しました。また、日本で外国人患者に問診票の記入を促すシミュレーションワークショップも行い、言葉が出来ない人への接し方を一生懸命考えていました。

(下記、学生の感想)
◎環境が整っていないという理由で何も出来ないとあきらめてしまうのではなく、「今自分に出来ることを」という意識を持って様々なことにチャレンジすることが大切だと学びました。

◎与えられた環境の中で、自分の持っている力を活用し、その国の文化を尊重しつつ援助していくことはとても大変だと思いました。

◎高知の人もたくさんブラジルに移住しているということを、今日まで知りませんでした。JICAの活動を通して、「よさこい」が踊られたりしているのは、高知の人間として嬉しく感じました。

◎ブラジルでの立位ができない人を移乗させる方法は、介助者二人がかりで抱え、半ば無理やりひきずっているような印象を持ちました。しかし、高橋先生が教えてくださった方法で移乗を行うと、スムーズにかつ安全で、リハビリも合わさり、双方にとってとても良い方法だと感じました。

◎問診票を書いてもらう作業では、私は外国人患者役でしたが、自分の言いたいことを相手に分かるように伝えられないもどかしさや、困っている看護師役の人に申し訳ないといった感情を感じました。授業で英語を習ったり、私自身も検定を受けたり自信はあったけれど、片方が知っているだけでは伝えられないし、コミュニケーションにもならないので、これから先の医療に携わるには英語は必須だと感じました。