【報告】平成30年度中四国SGH発表会における、清家国際協力専門員による基調講演

2018年8月8日

 7月21日、徳島市のとくぎんトモニプラザにて中四国SGH(スーパーグローバルハイスクール)(注)発表会が開催され、徳島県立城東高等学校・岡山県立城東高等学校・愛媛県立松山東高等学校のSGHコース高校生全95人、また学校関係者及び保護者・中学生等36名の、計134名が集いました。その中で、国際協力機構(JICA)の清家(きよか)政信国際協力専門員(以下、清家専門員)が、「社会が求めるグローバルリーダーとは」と題し基調講演を行いました。

 冒頭、これまで誰も経験のしたことのない多様かつ複雑なグローバル社会に突入する時代において、これからの時代を担う聴講者(高校生)が自ら考え行動していく必要があるとの前置きのもと、ガーナ・ペルーでの人との出会いを軸に基調講演が進められました。
 ガーナでは、当時の軍事クーデターを率いたJ.J.Rawlings空軍大尉(後に大統領)との邂逅、「ガーナは日本のカネが欲しいんじゃない、日本の開発経験が欲しいんだ」という彼の言葉から、国造りの根幹を担う技術協力に長年取り組むに繋がっているというエピソード、また、青年海外協力隊としての活動からは、外から来た自分が‘いいと思ったことがいいとは限らない’という、国際協力においてはその土地・村の文脈に配慮する態度の重要性が語られました。
 ペルーでは、現地での技術協力策定調査・立案時のエピソードとして、対象地域・住民の状況を一見しただけでは課題がないと思われる場合も、人々の生活を注意深く観察して、脆弱性に対する支援を如何に見出していくかについての示唆、さらに、手が血に染まるまで開墾の苦労を重ねた祖父の話を聞きながら育った日系3世との出会いからは、自分のベースとなるもの=Identityを持つことが何を成し遂げる上でも重要であるということが語られました。

結びとして、人間は失敗から学ぶもの、何ごとも中途半端ではなく、自らが主役になるつもりで取り組んで欲しいと会場の高校生に熱いメッセージが送られました。

SGH高校生たちは、遠い国での清家専門員の逸話に終始、真剣に耳を傾けました。

注:高等学校等におけるグローバル・リーダー育成に資する教育を通して、生徒の社会課題に対する関心と深い教養、コミュニケーション能力、問題解決力等の国際的素養を身に付け、将来、国際的に活躍できるグローバル・リーダーの育成を図ることを目的としている。

聴講した生徒たちの感想

◆ガーナやペルーで講師が行ったこと、体験したことなどを聞いて、自分も国のために何かしたい,という強い思いが生まれました。<2年女子>

◆貧困で飢え死にしていく人々がいる中、その人たちの主食である食べ物を豚のえさとして輸入するような自己中心的な貿易はよくないと思った。自分の周りの人々に目を向け、状況を見て、判断することがグローバルリーダー人材にとって大切だと感じた。(2年女子)

◆グローバル化した世界における様々な問題や考えを知ることができて良かったです。人生において失敗はつきものだと思うので、失敗を恐れずに興味を持ったことをしっかりと探究し、行動していきたいです。そして、自分とは何か、identityをしっかりと持って、自分自身を見つめ直していきたいです。(1年男子)

高校生シンポジウム「生徒たちが考えるグローバル人材について」の様子

【画像】 SGH高校生の英語による課題研究発表および質疑応答の後、参加3校の代表者が登壇、清家専門員がアドバイザーとしてシンポジウムが行われました。各校の、グローバルリーダーの捉え方、SGH事業の取り組み、SGH事業を通じて何を得たか、について発表・議論が行われました。さらに、今後グローバル・グローカル人材を目指してどんな活動を行っていきたいか、展望が述べられました。

 清家専門員からは、以下のコメントがなされました。
・SGH高校生がグローバルな視野を持ちつつも、身近な問題に目を向けた研究がなされていることに賛同。ぜひ継続して、自らのidentityの形成につなげて欲しい
・これからのグローバル/グローカルリーダーに求められるのは、言語スキルにとどまらないコミュニケーション能力。人は理屈では動かない。相手に自分の気持ちを伝える力がコミュニケーション能力である。たくさん小説を読み、優れた映画を見て、この力を養って欲しい

JICAとSGHの連携

JICAはSGHと連携し、出前講座やスタディーツアー等での協力を行っています。