【開催報告】笑って分かる!室戸とSDGs

2019年7月11日

SDGsについて説明する黒ラブ教授

ギャラリー&カフェを営む宮﨑万純さん

室戸高校女子硬式野球部副キャプテン大野美空さん

深海魚の移動水族館事業をしている松尾拓哉さん

肉屋を営む釼物泰正さん

6月30日(日)、室戸ユネスコ世界ジオパークとJICA四国の共催、吉本興業の協力、さらには室戸市、室戸市教育委員会の後援を得て、SDGsを楽しく学べるイベント「笑って分かる!室戸とSDGs」を開催しました。
会場となった室戸市の保健福祉センターには、雨の中、そして強風にもかかわらず、140人を超える観客が集まりました。

第1部では、吉本興業の理系芸人「黒ラブ教授」が、SDGsになじみのない方にも分かりやすいように、クイズやネタをはさみながら17の目標について説明し、会場をわかせました。また、SDGsの掲げる目標は、自分から遠い問題ではなく、身近なエアコン温度の設定やリサイクル、毎日の天気を気にかけることが、遠くつながって気候変動の問題にも考えることができるなど、気持ちの持ち方や考え方によって自分もSDGsの目標達成に関われるということを教えてくださいました。

第2部は、年齢・性別・出身地が様々な現在室戸市在住の4名の方をパネリストに迎え、「私たちは何を残したいのか?」をテーマにパネルディスカッションを行いました。

都会から室戸にUターンし、ギャラリー&カフェを営む宮﨑万純さんは、室戸での生活は「自然」に根付いており、「自然」と「自分たちの生活」をリンクして考えられるのが室戸であるとお話しされました。また、過疎化の進む室戸に人が住んでもらえるようにするには、病院や学校の設備を整えることも必要だと話しました。

大野美空さんは、徳島県出身で現在室戸高校女子硬式野球部副キャプテン。チームの人数が少なく、存続が危ぶまれている同野球部を、継続していくためどうしたらよいかと問題提起し、広報の方法など、他のパネリストや会場の皆さんからアドバイスをもらいました。また、室戸高校の授業にて学ぶ「ジオパーク学」について説明し、それによって調査した「シロウリガイ」の化石群が市の天然記念物に指定されたことを報告しました。

大阪出身の松尾拓哉さんは、子供のころから室戸に通い、現在では漁師をしながら深海魚の移動水族館事業をしています。独特の地形が豊かな海をつくり、豊富な魚種にめぐまれている「室戸の海」と「人と人とのつながり」を大切にし、家族と一緒に室戸で生きていくために、これからの夢を語り、会場のみなさんからエールをもらいました。

室戸にて肉屋を営む釼物泰正さんは、高校卒業後、大阪のIT系の専門学校へ進学。そのまま大阪の精肉会社に就職しますが、2年半で室戸にUターン。室戸に戻ってこれる場所を作ってくれた両親への感謝し、今2人の子どもの親として何世代もが一緒に住める住環境が必要と話されました。そのためには「人と人とのつながり」が大事であり、自分は率先して地域の活動を支援していきたいと語られました。

ファシリテーターの室戸ジオパークセンターの遠枝さんは、ジオパークが室戸の皆さんの守りたいものを守るお手伝いができるはず、ぜひ様々なアイデアをジオパークへと話されていました。

そして、室戸ジオパーク推進協議会の会長であり室戸市長でもある植田市長には開会から閉会まで参加いただき、室戸市が抱える人口減少・若年層流出を食い止め、室戸市が有する自然を活用した地方創生には室戸の魅力を正しく発信していくことが重要であり、今回のイベントを通じてジオパークを含め室戸の魅力を再認識し、引き続き地域活性化につなげていきたいとの抱負を語られました。

今回のイベントでは、SDGsについて学び、4人の室戸に住むゲストの話から、室戸が持っている他にはない独自の財産やすばらしい自然、そして過疎化の進む室戸での「持続可能な」生活について改めてみなさん考えさせられたのではと思います。このイベントが、今後みなさんが行動するきっかけになっていればうれしいです。