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【研修員受入事業】地方行政と住民組織の連携を学ぶため ブータンから徳島山間部へ視察(研修コース:住民関与を目指した地方行政)

佐那河内役場にて、村の相互扶助の精神、住民組織と役場との協働関係、さらに地域で発展させてきたゴミ回収方法について学ぶ。

平地地区で取り組むゴミ回収ステーションにて、22区分をわかりやすく伝える看板づくりの工夫など説明を聞く。

佐那河内小学校にて、児童と交流しながら「栄養教育」や地元産野菜を使った学校給食など、学校と地域との連携について学ぶ。

 「幸せの国」として名を馳せるブータン。
 「国民総生産」に代わる指標として「国民総幸福量」を提唱し、経済成長では図ることのできない自然環境や伝統文化、家族や友人、地域のつながりとの調和がとれたものであるべきという考え方の下、国づくりが進められています。
 近年急速な近代化・民主化が進む中、行政と住民が 一 体となった地域づくりが求められています。JICAは、ブータン政府からの要請に基づき、住民の声を反映し地方行政と 一体となった地域づくりを支援するプロジェクト(※)を2015年より実施しています。

※JICA技術協力プロジェクト名:「住民関与を目指した地方行政支援プロジェクト」

「平地日の地」常会にて、役場からの連絡事項や常会内での情報共有が和やかに行われる様子を視察。

9月「とくしまマルシェ」にて、生産者が価値ある商品・農産物を 消費者に直接届け、新たな流通を見出している機会を学ぶ。

 去る9月、この協力の一環でブータンから5名の行政官が徳島を訪れました。
 約2週間の滞在で、那賀町木頭、上勝町、佐那河内村を訪問し、地方行政と住民組織の連携について、治水や地場産業の活性化、農業振興、ゴミ回収の現場を視察しながら、ブータンに適用できる策について知見を深めました。
 2年前には、プロジェクト関係の県知事4名がブータンから来県しており、その成果として佐那河内村の「常会」を真似たブータン風「自治会」が生まれ、地域清掃などの自主活動も始まっています。
 「ブータンはほとんどが農村地域。住民が対話し共に地域づくりを行うことが、持続的な『幸せの国』にも繋がるのでは」と清家プロジェクト・チーフアドバイザー。
 徳島で得た知見も糧に、残り1年のプロジェクト活動に取り組みます。

佐那河内役場にて。

JICA技術協力プロジェクト・チーフアドバイザー:清家政信
徳島市出身。青年海外協力隊員としてガーナで活動後、パプアニューギニア、マラウィ等へJICA長期専門家として従事、1997年よりJICA国際協力専門員を務め、今年4月ブータンに赴任。
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写真左が清家チーフアドバイザー。視察に協力いただいた、佐那河内村役場の太尾さん(右から4番目)、安冨さん(右から5番目)、地域から志摩さん(右から3番目)、瀧倉さん(中央女性右)、石本さん(中央女性左)。

(「徳島人」2019年12月号に掲載)