【出前講座】高知県立東高等学校で「国際看護」の出前講座を行いました!

2019年12月23日

高知県立東高等学校の看護専攻科2年生を対象に、「国際看護」の分野で全6コマ、3名のJICA海外協力隊経験者が出前講座を実施しました。

11月28日実施 【講師:下司政代さん】

【画像】 第一回目の講師は、カンボジア王国にて看護師として活動された下司政代さん(シニア海外ボランティア)。日本での経験が十分におありだったため、どんな状況でも活動できると思ってカンボジア王国に行かれた下司さんでしたが、日本とは大違いの医療現場に、困惑されたそうです。配属先の病院には、多くの患者が入院しており、廊下や屋外にまでベッドがあふれ、ゴミもポイ捨てされている…。
そのような中で、下司さんは安全安心な環境づくりのため、自らが率先してゴミ拾いを行なったり、5S(整理、整頓、掃除、清潔、躾)活動を導入したりと、皆が意識して看護環境を整備できる取り組みに注力されたそうです。

《下司さんの講義を受けて(受講者アンケートより)》
事前に、グループワークの課題を下さり、資源がない国での「看護職の組織づくり」について想像を膨らませながら考えることができました。当日はカンボジアの映像や実際の現地での臨床の場を拝見することで、想像以上に安全や清潔面が確保されてないことが理解できました。シニアボランティアとして参加された下司先生のJICAの一員としての「変えることのできるものを変える勇気を与えて下さい」という言葉がとても印象に残りました。

11月29日実施 【講師:中平有さん】

【画像】 第二回目の講師は、マラウイ共和国に栄養士として派遣された中平有さん。マラウイ共和国は世界の中でも最貧国のひとつということで、貧困地域の生活状況を理解するところから講義が始まりました。野菜や肉などの食材はあるのに、値段が高すぎて住民は食べられない…。
栄養士として、生活環境、風習、食への意識など、日本と全く違う状況の中で、現地の生活に浸潤させていくことの難しさをお話ししてくださいました。また、後半は持続可能性を考えるワークショップを実施されました。自分の帰国後も現地の人々が継続できる活動を行なうにはどのような点に気を付けなければいけないのか、実際の活動に即して議論し、生徒たちからは、たくさんの活動のアイディアが出てきました。

《中平さんの講義を受けて(受講者アンケートより)》
印象深い内容であった。異国で活動することの意義や困難さなど感じ取るとともに、
信頼関係を保つことは、どの領域においても最優先される。現地の人の意識や習慣を変え、こちらの活動が意味あるものと理解してもらう為に生じる壁を乗り越えることで、活動の浸透と継続に繋がるのだと感じた。

12月2日実施 【講師:川上英里さん】

 最終回の講師は、理学療法士としてヨルダンに派遣された川上英里さん。ヨルダンはイスラム教の国ということで、現地の服やムスリムの女性がつけるスカーフを生徒が試着しました。ムスリム女性の全身真っ黒な服装に生徒たちは驚き、大いに盛り上がりました。
活動先の障がい児の施設では、どのように子ども達に関わり、同僚の職員にどのように受入れられたのか—。医療従事者として文化も違う、言葉も通じない患者さんや職員に自分がやりたいことをどのように伝えていくか、についてディスカッションを行いました。「医療従事者として、自分が関わった人たちにどうなってほしいのか、そのために自分は何をすべきか、を考えることは、日本にいても海外にいても同じである」とお話ししてくださいました。

《川上さんの講義を受けて(受講者アンケートより)》
自ら行っていることを帰国後を見据えて現地の人々を巻き込んで行う活動が印象的であった。普段私たちが当たり前に感じていることも、国が違えばそうでない事もあり、外に出る経験が少なく、教育も不十分で、空の色が解らない子どもがいたりと、衝撃を受けた内容もあった。しかし、自らの命を危険にさらしながら、言葉も違い、文化も異なる国で、その国の未来のために活動されている姿は、とても輝いて見えました。いつかは、自分も参加したいなと興味がわいてきた。