四国の高校生を対象にJICA海外協力隊オンライン体験入隊-高知県立高知国際中学校・高等学校-

2022年3月15日

四国の高校生にJICA海外協力隊を体験してもらいました。

語学講師と高知国際中学・高校のみなさん

 駒ヶ根青年海外協力隊訓練所と四国センターで、四国4県の高校生に青年海外協力隊を模擬体験してもらうイベントを実施しました。
 青年海外協力隊に興味や関心を持ってもらいたいことも目的の1つですが、それ以上に世界に関心をもってもらい、グローバルな視点で、これからの将来の選択肢を考えてもらうきっかけになればと願い実施しました。
 高知国際中学・高校では、Service as Action(以下SA)という授業外の取り組みで、国際協力に関心のある16名に参加していただき「JICA海外協力隊オンライン体験入隊」を実施しました。1日目は協力隊体験談、2日目はネパール語、スペイン語、シンハラ語の語学訓練を体験、3日目は高校生が語学の先生に向けて、高知県の紹介プレゼンテーションを実施しました。

体験入隊1日目—高知県出身協力隊経験者2名の体験談-

参加者全員で集合写真

コロンビアについて紹介。

 1日目の1月25日は、協力隊概要、訓練所バーチャルツアーに続き、協力隊体験談を実施しました。体験談では、高知県出身で昨年12月に帰国した甲藤瞳さん(派遣国:ラオス/職種:日本語教育)と同校卒業生の佐々木淳さん(ジンバブエ/コンピュータ技術)にお話しいただきました。二人ともコロナ感染拡大の影響で、現地到着後3ヶ月ほどで、日本に帰国しました。約1年の日本での待機期間中も、甲藤さんは日本からオンラインで日本語の授業を続け、佐々木さんは日本で新しいコンピュータの技術を身に着け再赴任後の活動に活かしました。
 ジンバブエの現地語で「タナカ」がVery Goodを意味することや、ラオスがもち米を主食にしているなど、現地で発見した日本と似ていることのお話もあり、とても楽しい時間になりました。最後に「自分一人の力には限界がありますが、現地の人々や協力隊仲間などと協力すること、巻き込むことが大切」とメッセージをもらいました。

体験入隊2日目-語学訓練を体験-

写真を見て楽しく単語を学びました。

日本語とシンハラ語の対応表を見ながら、自分の名前を書いています。

ネパール語の単語に興味津々

 2日目の2月1日は、スペイン語、シンハラ語、ネパール語の3グループに分かれて語学訓練を体験しました。見慣れない文字に驚きながらも、興味を持って一生懸命に自分の名前を書いたり、発音練習の際は恥ずかしがりながらも積極的に声をだして練習したりと楽しんでいる様子でした。

 受講した生徒のみなさんの感想をご紹介します。
・スペイン語受講者「ローマ字読みで読めることに驚いたが、いざ読むとなるとなかなか発音が難しかった」
・ネパール語受講者「日本語の音・意味と同じ単語があって面白かった。短時間であったが、学んだ言葉を組み合わせて文章ができて面白かった」
・シンハラ語受講者「母音や子音の数の多さに驚いたが、日本語や英語と似た音もあり共通点が発見できた」

体験入隊3日目-高知県を紹介-

高知の郷土料理を紹介

プレゼン終了後はみなさん安堵の表情でした。

 3日目の2月22日は、生徒のみなさんが隊員として途上国に赴任したことを想定し、2日目に学んだ言語(スペイン語、シンハラ語、ネパール語)の基本的な挨拶や自己紹介、単語を用いて、語学授業を担当した3名の先生に対して、高知県の紹介プレゼンテーションを行いました。
 先生たちは全員高知県を訪れたことがなく、高知県民の性格や食文化、よさこい祭りなど生徒の紹介に聞き入り、特に高知県の1人あたりの酒類消費量が、47都道府県中2位という点に先生方一同驚かれていました。発表後には先生方から、「スリランカでもお酒で交流する文化がある。カツオはたたきではなくカレーに入れて食べる。」「高知の日曜市とネパールの市場を比較していて面白かった。」等コメントがありました。
 また、「言葉というのは文化。言葉を通してその国の文化や人の考え方を知ることができる」、「メジャー言語、マイナー言語関係なく言語を学ぶことは大切で、母国語以外を知ることは人生をより豊かにしてくれる」といったアドバイスがあり、長年語学を教えている先生たちからの言葉は生徒のみなさんにも説得力があったと思います。
 高知国際中学・高校のみなさん、素晴らしいプレゼンテーションをありがとうございました。異文化や外国語、国際協力について高い関心を持っているみなさんにとって、少しでも有意義な時間となっていれば幸いです。

 最後に、今回参加した感想やプレゼンテーションの準備を通しての気づきなどを、生徒のみなさんに発表してもらいましたので以下ご紹介します。
・以前スペイン語を勉強したことがあったが、難しくて諦めた。今回の授業をきっかけにもう
一度勉強してみようと思った。
・“ナマステ”と聞いて少し馴染みがある言葉だと思い、字体がかなり特徴的であったがそれ
に興味を持ちもっと知りたくなった。ネパールのマーケット文化が、高知県の日曜市と似て
いて、いつか訪れたいと思った。
・話者が多い英語やスペイン語が普段フォーカスされがちだが、今回はシンハラ語を勉強してみて、日本語も文法が難しく特徴的だが、シンハラ語も特徴があって面白かった。