(愛媛)「オリパラ教育 ホストタウンから考える私たちにできること」を実施しました

2021年9月6日

松下さんのパナマ紹介

オスカル選手と通訳者が来校された

FC今治の武井選手と松井選手が来ました

イベントを考えるグループ活動

発表の様子

愛媛県立今治北高等学校で「オリパラ教育 ホストタウンから考える私たちにできること」を全4回に渡って実施しました。

1回目の7月28日、今治北高3年生25名は、オリンピックやパラリンピックの平和の祭典としての意義や、今治市がホストタウンになっているパナマ共和国について学びました。
青年海外協力隊としてパナマ共和国で環境教育活動を行った松下博幸さん(愛媛県出身)が、パナマ共和国の伝統的な衣装や独特なお祭り、現地の食事など、文化や生活習慣を紹介してくれました。そして現地での環境教育隊員としての活動内容も話してくれました。文化や考え方が違う人たちと一緒に働くのは難しいけれど、彼らのやり方を尊重して受け入れられる活動を心がけたそうです。生徒たちはパナマ共和国と日本の違いを感じながら、松下さんの話に耳を傾けていました。
 
2回目の7月29日は、2021年4月からFC今治のディフェンス選手として活躍するパナマ共和国出身のオスカル選手を迎え交流を行いました。
今治北高校の生徒たちは、スペイン語で挨拶と自己紹介を行い、その後オスカル選手に「好きな日本の食べ物は」、「得意料理は何」、「好きなアニメを教えてください」、「サッカーを始めたきっかけ」など日本語で質問しました。
オスカル選手は、今までサッカー選手として様々な国で生活をしてきたので、今治の生活でもそれほど苦労はないようです。ただ家族と離れているのが寂しいと話してくれました。最後に生徒たちへ、今回の授業のようにコミュニケーションをとることで、知らない世界をたくさん知ることができるので、恥ずかしがらずにいろんな人に話しかけてとメッセージがありました。

3回目の8月4日は、前回までにオリンピック精神や異文化理解や、国際交流について学んだことを活かして、「在住外国人が多い今治市で、外国人も日本人も住みやすいまちづくり」にフォーカスしました。
 はじめに武井選手と松井選手との交流として、生徒たちから選手たちへの質問の時間がありました。比較的年の近い先輩としても、生徒たちは積極的に質問していました。その後で、身近にある地域貢献やSDGsにつながる活動について話しました。松井選手は「外出するときは飲み物を入れたマイボトルを持ち歩き、缶やペットボトルのごみを出さないようにしています、買い物のときは必ずエコバックを持参しています」など日常の生活で行なっていることを教えてくれました。
 そしてグループに分かれ、地域の人々が交流できる独自のイベントを考え、選手たちとアイデアの共有をしました。

4回目は8月24日に行い、前回グループで考えた交流イベントについて発表しました。
「外国人選手の郷土料理を食べてみよう」と題して、FC今治の外国人選手の郷土料理の販売、レシピの紹介を行い、異文化理解、地域交流を行うという提案や、「Tシャツエコバックづくり」という企画では、着なくなった服を再利用し、ハサミを使うだけで簡単にエコバックへと活用できる方法の提案、他にもスポーツイベント、商店街の活性化など、SDGsと結びつけながら新しいアイデアをたくさん発表してくれました。

 この4回の講座を通して、「学習した知識や考えが人との協力によって実際の活動につながることが分かった」「今治の良さをさらに知ることができた」「外国人選手との交流により、外国人と話すというハードルが下がった」など生徒たちの率直な感想を聞くことができました。異文化理解、国際交流、そして地域について興味を持つきっかけになったのではないかと思います。
最後にFC今治の担当者から「今回提案してくれたアイデアをぜひ実現したい」とコメントをいただきました。講座は終了しましたが、生徒たちのアイデアが今後、目に見える形となり、国際交流、地域活性がさらに推進されるようJICA四国はこれからも今治北高校、FC今治と連携していきたいと思います。