JICAボランティア ソロモン日記(25)

2019年5月30日

青年海外協力隊・畠山 航也(看護師)

2017年10月から看護師としてソロモン諸島に派遣されている畠山航也と申します。配属先はギゾ病院というウエスタン州の州都に位置する拠点病院です。この病院は2007年、マグニチュード8の地震により発生した津波によって壊滅的な被害を受けたことで病院機能を大きく損ないました。しかし日本の無償資金援助により再建設されたことで、今やソロモンの既存の病院の中では最も美しく、設備も整っていると住民やスタッフからの評判は良く、この島の人々は特に日本への思いが強い印象を受けます。ここでの私の主な活動は感染管理能力の向上と5S-Kaizenによる業務効率化推進になります。しかし、活動は一筋縄ではいかず、不安定な物流管理による度重なる医療物品不足や水不足による断水などに悩まされることも多く、日本では考えられない状況の中、現地の人々へ医療サービスを提供していかなければなりません。

活動を始めて1年6ヶ月となりますが、良い意味でも悪い意味でもここソロモンは日本とは違うのだということを痛感しています。気候、文化、宗教、地理的状況が異なるこの国の発展の仕方は、経済大国のそれとは大きく異なっていくのではないかと考えます。そのため、私たちの国の基準に当てはめた発展の押し付けはうまくいかないだけでなくその国の良さを奪うことにもなりかねません。南国のフルーツやたくさんの魚介類、のんびりとした時間や人々の暖かさといったソロモンの良さをこれからも失うことなく、国が発展し、人々が幸せな生活を送れることを支援したいと思うようになりました。

しかし、そのような彼らの未来を妨げる要因がいくつか存在しています。その1つは肺炎や下痢、皮膚感染症や生活習慣病といった人々の健康を脅かす病気であり、それらは防ぐことができるにも関わらずソロモンでは高頻度で発生しています。容易に健康が脅かされる不安定な生活は、持続的な社会活動を営む上で大きな障害であり国の発展を停滞させることから、この要因をできる限り取り除く必要があります。私は保健医療分野を通じてソロモンの人々が彼ららしい国の発展ができるように関わっていきたいと思います。

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日本の援助により再建されたギゾ病院

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ギゾ病院の患者とスタッフ

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ギゾ病院でのJICAボランティアによるワークショップ