JICAボランティア ソロモン日記(41)

2020年1月23日

JICA海外協力隊・堀 友希(経営管理)

はじめまして。2019年度8次隊の堀と申します。
私はソロモンの首都ホニアラにある農業系NGO「カスタムガーデン・アソシエーション(KGA)」で、経営管理の仕事をしています。ソロモンに着任する前はスリランカでマーケティング隊員として活動していました。治安情勢により任国振替となり、ご縁があって今はソロモンにいます。

配属先であるKGAは、ソロモンの人たちが安全な農作物を食べ、健康的な生活を送ることができるよう有機農法の普及を目的として活動しています。国連食糧農業機関(FAO)や、農業農村技術協力センター(CTA)などの機関からプロジェクトを請け負い、農家の方達に技術指導トレーニングを行うことが主な事業内容です。また、農家の方達に安価で種子・苗を提供しており、その生産も仕事のひとつです。
配属先における私の役割は経営面でのサポートであり、特に会計実務に関する指導が求められています。ここでは日本と文化も慣習も異なり、お金の使い方も日本人の感覚とは少し違います。言葉もままならない中、現地の人たちのやり方を尊重しつつ如何に自分の思いや考えを伝えるか、悩みながら奮闘する毎日です。
また、人材育成も重要な課題です。特に、パソコンを使える人が少ないため、業務効率が悪く事務作業も疎かになりがちです。ソロモンでは、一般の人が日常生活でパソコンを使う機会が少ないため、例え学校で学んでいたとしても、実務で使えるほどのスキル習得にはなかなかつながりません。職員の方たちが、組織運営のために必要なパソコンスキルやビジネススキルを身につけられるよう、私にできる範囲でトレーニングを行っていく予定です。

ソロモンに来て驚いたことは、ソロモンの人たちが日本のことを本当によく知っていることです。日本が道路や空港の建設を支援していること、第二次世界大戦時に日本軍がこの地で戦ったことなど、多くの人に認知されています。日本から遠く離れた小さな島国でここまで認知されているのは、長年のJICA事業の成果のひとつなのではないかと思います。

南国のソロモンでは時間がゆっくり過ぎていきます。朝はすれ違う人々に「モーニン!」や「オハヨウ!」などと挨拶され、目があうと大抵の人は笑顔を返してくれます。主な交通手段であるバスも時刻表などなく、来たものに乗るスタイルであるため、バスが来ない時は時間通りに目的地にたどり着かないこともあります。そういった環境のせいなのか、ソロモンの人たちは「これがソロモンタイムだ」といいながら時間をあまり気にしません。
約束通りに物事が進まないことも多々あり、初めのうちは戸惑うことも多かったソロモンでの暮らしですが、着任から5ヶ月が経過した今では随分慣れてきました。残りの任期は6ヶ月と短いですが、焦らずに自分に出来ることを地道に行なっていきたいと考えています。

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カスタムガーデン

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農園

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トウモロコシ種子生産

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ワールドフードデイ

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コンポスト説明