JICAボランティア ソロモン日記(44)

2020年3月6日

JICA海外協力隊 永井 綾(助産師)

皆さんこんにちは、海外協力隊員の永井綾です。昨年の7月にソロモン諸島に赴任となり、現在7カ月が経過しました。私はソロモンの首都・ホニアラのクリニックで助産師隊員として活動しております。

皆さんはソロモンという国をご存じでしょうか。私は自分が派遣されるまで知りませんでした。オーストラリアの少し上にある岩手県の2倍ほどの面積の国です。
ソロモンの日中はとにかく蒸し暑いです。毎日エアコンも無いクリニックで汗だくになりながら活動しています。でも夜間は昼間の暑さは消え、涼しくとても快眠です。ソロモンの人々は基本的に穏やかで、日本に好印象をもっており、目が合うと笑顔を返してくれたり、「こんにちは」「おはよう~」と日本語で挨拶してくれることも多いです。ソロモンは800もの島々から成る諸島国であり、人々は色々な肌の色をしており、それぞれ異なる言語で話します。ソロモンの共通語のピジン語と自分のホーム(出身地)の言語を器用に使い分けるソロモン人はすごいなと思います。子供たちは、裸足、裸で走り回っている姿をよく見かけます。私がソロモンに来て一番いいなと感じたのは子供たちの笑顔です。たぶん、どこの国にも負けない素敵な笑顔があります。全身で遊んで、本当に無邪気に笑う子供たちはとても輝いて見えます。そして、ソロモンに来て一番驚いたことは、みんな鼻水をかむときに片方の鼻を指で押さえ、勢いよく「フンっ」と力強い鼻息で道端に鼻水を飛ばすのです。そんな光景も今では日常になってしまいましたが…(笑)

医療事情に関しては、ソロモンの合計特殊出生率は4.36(2019年)と世界200か国中28位、妊産婦死亡率114(10万人中/2018年)で70位・新生児死亡率10.4(1000人中/2016年)で92位とまだまだ高い現状です。(WHOより)しかし、日本を始め、オーストラリア等からの多くの支援もあり、確実に改善されてきています。
平均寿命は71歳で世界平均とほぼ同じくらいですが、約60万人の人口に対し、医師は200人未満であり、慢性的な医師不足の状態が続いています。
ソロモンには医学部が無いため、隣国のフィジーや中米のキューバなどの医学部を卒業したソロモン人が脆弱なソロモンの医療を担っています。また、ソロモンは諸島国であり、緊急移送にも時間と多額の費用がかかる等のリスクも抱えています。

ソロモンは綺麗な海があり、森があり、食物も至るところに生えています。食べ物には困らない国だなと感じます。しかし、輸入品の流出により人々の食生活は大きく変化してきており、多くの人々が便利なインスタント食品等を摂取しています。こんなにも自然豊かな国で環境に恵まれているのに、残念です。そして、生活習慣病やがん患者が急増しているのです。また、人々はよく【ソロモン人は食べ物を摂る様に薬を食べる】と言います。悲しいですが、これが現状です。便利さがもたらすものの代償は本当に大きいと感じます。

この7カ月の活動を経て、基本的な保健指導が必要だと感じました。私の配属先のクリニックはプライマリースクール(小中学校)やコミュニティの巡回も実施しています。そのため、児童教育にも力を入れて活動していきたいと思います。私生活ではソロモンの魅力をより多くの人に発信すること、ソロモン人との交流を大切に残り4カ月を過ごしていきたいと思います。

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ヌズヌズ(ソロモンの神様)

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同僚とビートルナッツタイム(ビートルナッツ:ソロモン人の嗜好品で、食べるとアルコールを飲んだ後のような感覚になる)

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スモール・アヤ(私の名前を付けてくれた。ソロモンには沢山の日本人の名前の人がいます!)

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THE・南国な一枚

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素敵な笑顔の子供たちと