農業セクターの取り組み:「包括的農業開発マスタープラン策定支援プロジェクト」終了

2017年3月16日

【画像】

2月3日(木)、包括的農業開発マスタープラン(CAMP)策定支援プロジェクトを締めくくる会議がウガンダ・カンパラで開催されました。会議出席者はこれまでプロジェクト活動を進めてきた中央および州の政府関係者とJICA専門家チーム、そしてJICA南スーダン事務所関係者です。

CAMPプロジェクトは4年半の実施期間を経て終了します。その間、JICA専門家チームは南スーダンの急激な治安悪化により2013年12月、そして2016年7月と2回、国外退避とその後の遠隔での活動の実施を余儀なくされましたが、南スーダンにとって初となる長期農業開発マスタープラン(CAMP)をつくりあげました。

CAMPは南スーダンの農業開発達成のための25年のロードマップです。その策定にあたっては政府関係者はこれまでに経験したことのない業務に真摯に取り組みました。また、JICAのみならず、カナダ、EU、国連食糧農業機関(FAO)、ドイツ国際協力公社(GIZ)など他国の開発パートナーも技術専門家を送るなどの支援を行いました。

2015年5月にマスタープランを策定した後、プロジェクトは協力期間を延長し、開発計画の策定から実施フェーズに移行するという政府の新たなチャレンジの立ち上げ段階を支援しました。プロジェクト活動には中央や州の政府職員が参画し、CAMPで提案された実施メカニズムの実践と検証が行われました。

CAMPは2015年7月に南スーダンの閣議で承認され、現在、国会で審議中です。プロジェクトが終了するにあたり、政府関係者は国会審議とCAMPの実現に取り組んでいくことを表明しました。開発への長い道のりはまだはじまったばかり。今後の政府関係者の努力とCAMP実施の進捗を楽しみに、JICAは今後もCAMP実施のための支援を続けます。

包括的農業開発マスタープラン(CAMP)策定支援プロジェクトとは?

南スーダンは国家収入の約98%を石油に依存していると言われていますが、国民のおよそ8割が農業に従事し、広大な土地や豊富な降雨、ナイルをはじめとする河川など、農業開発の潜在性が高い国です。石油の代替産業として農業を育成することを目指す南スーダン政府の要請にこたえ、25年の農業開発計画を策定するため、2012年7月、プロジェクトが始まりました。作物、牧畜、林業、漁業を包括する農業セクター全体の開発計画策定のため、関係する複数の省庁が一体となり、「政府主導」と「ステークホルダーの巻き込み」をスローガンに、3年を経てマスタープランが策定されました。

また、水資源管理・活用という観点から農業開発を下支えする「灌漑開発マスタープラン(IDMP)」の策定を支援するプロジェクトも同時に実施され、もうひとつのマスタープラン(IDMP)が2015年12月に策定されました。

現在、南スーダン政府はCAMPとIDMP、二つのマスタープランの実施に取り組んでいます。

プロジェクトに関わってきた政府関係者

マチュー・ゴードン・ウド教授

【画像】

- 農業・食料安全保障省 次官 -

2011年のプロジェクト形成段階から、プロジェクトの責任者の一人としてご支援いただきました。

"JICAのプロジェクトはいい。会議やワークショップもいい。我々はまだまだJICAとの継続的な協力を必要としています。"

会議の最後に「政府が今後もリーダーシップをとっていくこと、CAMPとIDMPを実施していくことを約束する」、と心強い表明をしてくれました。

アイザック・リアブエル・C・ヨル技官

【画像】

- 水資源灌漑省 次官 -

IDMPの責任者として農業開発への灌漑の役割という観点から、いつも強いリーダーシップをもってプロジェクトをリードしてくれました。

"日本人は献身的に支援し、それが我々の自信と責任につながった。[プロジェクトの最後に]政府としての良い出口戦略が設定された。この素晴らしいマスタープラン策定フェーズに次ぎ、実施フェーズでもJICAとのプロジェクトに期待する。"

ジョン・パンゲッチさん

【画像】

- 農業・食料安全保障省 計画・農業経済局長 -

彼は策定段階から現在に至るまで、プロジェクトのために形成されたタスクチームのリーダーとしてまとめ役となって活躍しました。

"日本は資源豊かな発展した国であり、日本人は良く働き、他の国の人が自分の力で立ち上がれるように支援してくれるとても寛容な人たちだ。

JICAとのプロジェクトでは非常に細やかな仕事が要求されたが、我々南スーダン人に農業セクター開発に本当に役立つツールを与えてくれた画期的なプロジェクトだった。"

ミカヤ・ガムンデ・ナソナさん

【画像】

- 農業・食料安全保障省 計画課長代理 -

計画局は省の事業実施においてカギとなる存在です。プロジェクトにもたくさんの有益な情報を与えてくれました。

"このプロジェクトには準備段階にも参画した。日本人専門家の働きや技術支援に深く感銘を受けている。日本でのJICA研修に参加したことがあり、人々の優しさ、協力的な態度に触れる機会となった。[これらの支援を支えてくれている]日本の納税者に感謝している。….関係省庁の政府職員の能力強化を支援するこのプロジェクトは間もなく終わるが、我々がCAMPとIDMPを実施していくためには継続的な支援が必要だ。"

チャリティ・マーティン・アンドリュー・ワニさん

【画像】

- 州農林省造林課長代理 -

2016年から森林セクターの州フォーカルポイントとしてプロジェクト活動に関わってきました。

"日本人はとてもいい人たちで慎ましい。南スーダンの農業と未来のために私たちを支援してくれています。

プロジェクトではCAMPについて、パイロット事業について、また州の優先事業計画についてよく議論し、一生懸命働きました。"