南スーダン理数科教育強化ワークショップをウガンダで開催

2017年10月18日

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ワークショップの様子

2017年8月16日から24日にかけ、ウガンダの首都カンパラで、第5回南スーダン理数科教育強化(SMASESS)ワークショップが行われました。理数科教育改善を、小学校教員養成校の学生用副教材作成を通じて支援するもので、このワークショップには、南スーダン一般教育・指導省、教員養成校、ジュバ大学から、SMASESS算数チーム8名(局長1名を含む)、理科チーム6名(局長1名を含む)が参加しました。開会式では、JICA南スーダン事務所の内川知美次長が参加者に対し、「南スーダンの理数科教育の質の向上のために、教員養成校の学生、理数科教官にとって使い勝手の良い教材を作成することが最重要なミッションである」と改めて、理数科教育強化の重要性を訴えました。

2016年7月、南スーダンの理数科教育を強化すべく、田中千聖専門家が首都ジュバに着任、活動を開始しようとした直後、急激な治安悪化により、JICA南スーダンの邦人関係者は国外退避を強いられました。現在、対南スーダン技術協力は隣国ウガンダ等から遠隔で実施されています。理数科教育についても、田中千聖専門家が2016年11月にウガンダに着任、翌12月に南スーダン一般教育・指導省マイケル・ロプケ次官やSMASESSメンバーをカンパラに招聘、ロプケ次官の「教育に待ったなし!」の号令のもと、活動計画を立て直し、活動が再開されました。

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教員養成校学生用理数科副教材(2学期)

理数科副教材の作成にあたり、毎週、カンパラの田中専門家とジュバのSMASESSチームを繋いで教科別にテレビ会議を実施し、2か月に1度カンパラでワークショップを開催しています。実際に顔を合わせて議論する貴重な機会ということもあり、ワークショップでは毎回、誰一人妥協せず白熱した議論が繰り広げられます。田中専門家がモットーとする「楽しく考える算数・理科」の指導によって、これまでに2学期用副教材のドラフトが作成され、2教員養成校で試験的に使われています。

今回はカンパラで開催する5回目のワークショップで、その目的は、10月から始まる教員養成校の3学期で使用する理数科副教材の作成です。2学期用の副教材が教員養成校で使用されている状況をSMASESSメンバーがモニタリングした結果が共有され、3学期の副教材の作成に反映されました。また、副教材の作成にあたっては、ジェンダーバランスにも配慮されています。例えば、男女の名前が同じ頻度で出てくるようにしたり、役割が固定されないよう、算数教材の例題では、ラジオを購入者の名前を社会通念上の男性ではなく、あえて女性の名前を使用しました。

南スーダンの教育システムは、初等教育8年(無償・義務教育)・中等教育4年・高等教育4年となっています。近年、初等教育就学者が爆発的に増加しており、2005年の30万人から2015年には130万人に増えました。その一方で、初等教員数は2015年時点で28,957人ですが、そのうち38%の教員だけが教員資格をもっています。生徒に分かりやすい授業をする技術や能力の不足も課題です。引き続き、JICA南スーダンは、南スーダンの理数科教育の質向上に役立てるように継続した支援を行っていきます。