南スーダン職業訓練局指導員研修をウガンダ国の難民移住区と南スーダンのジュバにて開催

2017年11月27日

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南スーダン指導員研修(後方右:南スーダン指導員、後方左:RMF指導員)

2017年10月11日から27日にかけ、ウガンダ国中央部キリヤンドンゴ県の難民移住区内にある職業訓練校において、南スーダン職業訓練局指導員3名が自身の研修を兼ねて、難民に対する職業訓練を実施しました。3名はそれぞれ木工、ブロック建築、裁縫の指導員ですが、長期の内戦の治安悪化により多くの職業訓練校が休講状態に陥ったため、指導をする機会を失われていました。そのような状況下で南スーダン職業訓練局は一人でも多くの指導員を再訓練したいとの思いがありました。一方で、現在ウガンダには約100万人以上の南スーダン難民が暮らしており、うち約6万人が居住するキリヤンドンゴ県の難民移住区において職業訓練ニーズが高まっていたこともあり、今回の研修となりました。

南スーダンは15歳識字率が27%と低く、その結果若者の94%が何の職業資格も持たずに就業できる分野の仕事に従事しており、就業機会が極めて限られている状況にあります。この状況は都市部も地方部も大差はなく(注:5 Year TVET Sector Development Plan. UNESCO South Sudan, June2016)、教育も含め職業訓練は全国的な重要課題となっています。その課題に対処するため、日本政府及びJICAは南スーダンのジュバにある多目的職業訓練校(MTC: Multi-purpose Training Centre)に対する支援として、2006年〜2009年、2010年〜2013年に「南部スーダン基礎的技能・職業訓練強化プロジェクト」を実施しました。また、2013年12月の南スーダン難民急増の際にはフォローアップ協力としてキリヤンドンゴ県の難民移住区内の職業訓練校を支援(2014年度、2015年度)。その際は約200名以上の難民に対し、理髪・美容、裁縫、建築、木工の職業訓練を実施しました。

2016年3月には南スーダン職業訓練局の職業訓練政策アドバイザーとして菊池勇専門家を派遣しましたが、同年7月の首都ジュバの急激な治安悪化によりJICAの邦人関係者は国外退去を強いられました。それ以降、対南スーダン技術協力は菊池専門家による職業訓練分野の協力も含め隣国ウガンダから遠隔で実施しています。今回の研修は菊池専門家の活動の一環で、キリヤンドンゴ県職業訓練校の2017年7月卒業生に対しスタータキットを供与したうえで、南スーダン指導員3名による巡回フォローアップ指導を行うことで、卒業生の自立を支援しました。また、8月に開始した3か月間の職業訓練プログラムに対して鋸やミシン等の機材を供与するとともに、これら指導員3名が10月に約2週間という限られた期間でしたが副指導員として活動することで、指導体制を充実させました。今回の研修は、南スーダン指導員にとって、自らの技能を維持・習熟させる機会となったことに加え、卒業生の巡回フォローアップ指導等を通じてより実践的な現場の知見を得る機会となり、今後南スーダンでの国際機関やNGOと連携した短期職業訓練等に大いに役立つ事が期待されます。

2017年度は、このキリヤンドンゴ県難民移住区内の職業訓練校における南スーダン職業訓練局指導員3名の研修のほかに、南スーダンの首都ジュバにおいて、MTC電気科の指導員を対象に、MTCの自家発電機を教材とて活用した「自家発電機の操作・維持管理研修」を7月と11月に計2回実施しました。これにより、MTCが自らの電力を安定供給できるようになったことは勿論、自家発電機に電力供給の多くを頼る南スーダンにおいてニーズの高い職業人材育成に貢献することが出来ました。

新聞一コマ漫画「国の繁栄は職業訓練で!!!」にあるように、将来一人でも多くの若者が世界に通じる技術の取得ができるよう、国の足元を固める支援をしていきます。

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発電機研修(左:民間会社エンジニア、右3人:MTC指導員)

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南スーダン事務所広報班アディージャの漫画