スリランカ沿岸警備庁に対する巡視艇引渡し式:スリランカにおける海上安全体制の強化に貢献

2018年8月30日

2018年8月29日、無償資金協力で支援した「海上安全能力向上計画」に関する引渡式が開催されました。スリランカ政府からはルワン・ウィジェワルダナ国防担当国務大臣、日本政府からは中根一幸外務副大臣が来賓として参加しました。

本事業は、2016年6月に18.3億円の贈与契約を締結し、スリランカ沿岸警備庁(Sri Lanka Coast Guard)に対して30m級2隻の巡視艇を供与したものです。スリランカは、インド洋に浮かぶ島国であり、マラッカ海峡を経由して中東地域を結ぶ、日本にとっても重要なシーレーン上に位置しています。国土面積は6.5万平方キロメートルと北海道の約8割程でありながら、1,340kmに及ぶ海岸線と2.1万平方キロメートルの領海、51.7万平方キロメートルの排他的経済水域を有するスリランカでは、海運、漁業、観光等の海洋に関する産業がGDPの概ね5割を占めているため、船舶航行の安全確保や海上犯罪対策、海洋環境・資源の保全を含む海上安全能力の強化は重要な課題です。一方で、スリランカの海上安全を担う沿岸警備庁が保有する巡視艇は小型ボートが多く、隻数も限られており、同国北部を中心に配備されているため、貨物船等が航行するシーレーンが位置するスリランカ南部の沖合まで出航可能な巡視艇の増強が必要となっていました。このような現状を踏まえ、本事業を通じて30m級の巡視艇を南部沿岸地域に配備することにより、同地域における海上保安能力強化を図り、海上安全の向上に寄与することが期待されます。

引渡式において、ウィジェワルダナ国防担当国務大臣は、本事業は社会経済的な重要性を増すインド洋における海上安全に寄与するのみならず、長年にわたる両国の友好関係を象徴する事業であると述べました。また中根外務副大臣からは、自由で開かれ、安定かつ繁栄したインド洋を実現するためスリランカと海上安全分野での協力を進めてきたことや、本事業がスリランカ沿岸警備庁の海難救助、海上法執行や海洋環境保全の能力向上に資することへの期待が述べられました。

JICAは本事業に加え、油防除のための専門家派遣による海洋環境保護に係る技術協力等を通じ、今後もスリランカの海上安全能力の向上を支援していきます。

【画像】

(左から3人目より)中根外務副大臣、ウィジェワルダナ国防担当国務大臣、(左から6人目より)カピラ・ワイディヤラトナ国防省次官、菅沼在スリランカ日本大使

【画像】

引渡書類に署名を行う中根外務副大臣(奥)とウィジェワルダナ国防担当国務大臣(手前)

【画像】

式典での巡視艇の様子