インド洋津波10年・阪神淡路大震災20年特別企画 “被災経験を次世代の子どもたちに語り継ごう“

2015年1月19日

−元ガンバ大阪キャプテン木場さん、スリランカで防災教育とサッカー教室を実施−

2014年12月26日にインド洋大津波から10年を迎えたスリランカで、2015年1月23日から27日に防災教育イベント、サッカー教室を開催する。阪神淡路大震災の被災者で元Jリーグ・ガンバ大阪のキャプテンを務めた木場昌雄さん(40歳)が、「楽しんで学べる」体験型防災教育イベントで自身の被災経験を語り継ぎ、災害への備えの大切さを次世代の子どもたちに伝える。また、サッカー指導のために派遣中の青年海外協力隊員等と共にサッカークリニックを4ヵ所で開催する。

2004年のインド洋大津波でスリランカは約4万人が被害を受けた。発災直後からスリランカ政府に協力しJICAは緊急援助を行い、2012年から2014年にかけて、神戸学院大学とともに実施した草の根技術協力事業「トラウマ・カウンセリングと融合した防災教育」を通じ、被災地域の学校・コミュニティを対象に防災教育、トラウマ・カウンセリングに取り組んできた。
被災から10年。当時の被害を知らない子どもたちが増えており、洪水や土砂災害の激甚化が進むスリランカで、被災経験を語り継ぎ、災害を経験したことが無い人たちがどのように防災意識を高めていくか、課題となってきている。
上記草の根技術協力事業は2014年12月に終了したが、2015年1月から防災・災害対策の青年海外協力隊が派遣される。同プロジェクトで構築してきた人脈やリソース、そして同プロジェクトの成果を活用し、スリランカ南部州の他地域にプロジェクトの成果を拡大していくことが期待されている。

2015年1月17日に、阪神淡路大震災から20年を迎えた。阪神淡路大震災被災から10年を迎えたあたりで、日本でも語り継ぎの重要性が認識され活動が活発になった。阪神淡路大震災から20年、インド洋大津波から10年の節目に、被災者である木場さんにスリランカで語り継やサッカーを通じた交流で、防災に対する意識向上を喚起する目的で本イベントを企画した。
イベントには、前述の防災・災害対策隊員を含む総勢20名ほどの青年海外協力隊員、技術協力プロジェクト専門家(国交省現職や気象庁OBの防災案件専門家)が協力する。

防災教育イベントは、インド洋大津波の被災地である西部州コロンボと南部州ゴールの学校で開催。対象となるのはインド洋津波の年に生まれた子どもたち(10〜11歳)、約200名。木場選手の被災体験談、防災教育ビデオ視聴のほか、津波の速さ体験や土砂災害時の救助体験などの参加型イベントを行う。
参加した子どもたちには防災すごろくを配布する。防災すごろくは、子どもたちがイベントで学んだことを思い出し、両親や親せき、周りの人にも伝えられるよう裏面にはイラストを使った防災のポイントが描かれている。

サッカー教室は、インド洋大津波の被災地である西部州コロンボ、南部州マータラと、被災地ではないもののサッカーが盛んなクルネーガラの三地域で行われる。なお、クルネーガラは洪水が頻発する地域でもある。木場さんの被災体験紹介を交え、12〜15歳の子どもを対象にサッカー教室を行う。

防災を目的とした参加型イベントをスリランカで実施するのは、今回が初めて。体験型イベントを通じて、「災害は身の回りにあり、いつ起きるか分からないこと」、「災害発生時に『自助』の意識を持つことの大切さ」を、子どもたちに理解してもらうことを目的としている。今後、防災・災害対策の青年海外協力隊員が津波被災地域の南部州で防災教育を展開していく上で、防災教育の新たな切り口として、本イベントは一つの試金石となるであろう。
本イベントを起点として、防災教育の継続発展に貢献してゆければと考えている。