スリランカ災害管理センターにおける災害想像ゲーム(図上演習)の実施について

2016年2月10日

JICAスリランカ事務所

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DMC職員によるDIG実施の様子1

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日本の地方自治体で整備した災害対応アクションプランの紹介

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過去にJICA事業で整備したStandard Operating Procedure(SOP)

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DMC職員によるDIG実施の様子2

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DMC職員によるDIG実施の様子3

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DIG実施を踏まえ講評を述べる日本地域開発センター西川総括研究理事

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DIG実施を踏まえ講評を述べるJICAスリランカ事務所島野所員

2016年1月22日、JICAは、スリランカ災害管理センター(Disaster Management Center:DMC)の職員を対象に災害想像ゲーム(Disaster Imagination Game:DIG)を実施しました。DIGは図上訓練の一種で、実災害を想定し対応手順等について検討するものです。今回は、土砂災害の発生を想定し、DMC内の応急対応手順について確認することで、事前に整備しておく事項や改善事項といった課題を見付け出すことを目的に実施しました。DMCでは図上訓練を初めて実施したことから、DMC長官を初めとし災害対策室の管理職及び職員らが参加しました。

スリランカでは、2003年の大規模な洪水及び土砂災害、ならびに2004年12月のインド洋大津波を契機に災害体制の強化が始まりました。2005年には災害対策法が整備され、DMCが設立された他、災害管理省(Ministry of Disaster Management)が新たに設置され、災害対応を専門とする機関が整備されました。

JICAは、スリランカ支援の重点分野の一つとして防災分野の協力を重視しています。そのため、2005年からプロジェクト形成調査の実施を始め、開発調査や技術協力プロジェクトの実施、無償資金協力による自動気象間測器の整備など、スリランカの防災対策強化に貢献してきました。

2015年3月に仙台で開催された第3回国連世界防災会議では、日本が推奨している防災の主流化や、被災前より良い復興・復旧、事前投資の重要性が謳われました。同主張は、スリランカも賛同し国際世論の醸成に協力しており、スリランカ政府も防災対策をより一層強化する必要性を認識しています。

残念ながら、2014年10月末に発生したコスランダ土砂災害や、2015年9月に発生したリリスランド土砂災害の調査の結果、スリランカでは事前に関係機関との調整や対応すべき事項を明らかにした行動計画が整備されていないことが明らかになっています。

そのため、今回、DIGを実施することで災害応急対応にどのような業務があり得るのかを事前に関係者間で合意形成すると共に、関係機関を洗い出し、関係機関ともこれらの行動計画を作成する一助となることを期待しています。図上訓練等はスリランカでの実績が無いことから、まずはDMCの災害対策室メンバーを対象としどのような訓練手法なのかを理解してもらうために試行実施しました。

訓練を通じ、各災害対応関連機関の所掌や組織間の連携ルールが不明瞭であったり、部署や立場によって活動項目に対する認識が異なっていたりすることが判明しました。これまで、標準行動計画(Standard Operational Procedure:SOP)を整備しているにも拘らず、実災害では個人の経験則に則り対応していたことも明らかになり、一連の手順を組織的に順序立てて再確認することの重要性が認識されました。

今後は、DMCが他の関係部課を集めてDIGなどを実施すると共に、将来的には関係機関等と合同したDIGの実施を通じ、災害時の行動計画の整備やSOPの精緻化を進めて行くことが求められています。

JICAは引き続きスリランカ防災機関の能力育成に向け協力を行う予定です。