スーダン東部・農業支援協力プログラム準備調査

背景と目的

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スーダンはアフリカ最大の国土面積(日本の約7倍)を有し、約8,400万ヘクタールが可耕地と言われています。このうち定期的に耕作されているのは12%以下と言われ、その約半分の農地では伝統的天水農業、また約15%の農地では青ナイル川や白ナイル川を利用した大規模灌漑農業が行われ、スーダンの主食であるソルガムや小麦、輸出作物の綿花や胡麻が生産されています。

スーダンでは90年代の終わりから石油採掘によって国家歳入の5〜6割を石油収入が占めるようになっていますが、非石油輸出の大部分は家畜、綿花、胡麻、アラビアゴムなどの農畜産品が占めています。一方で、過去20年間の動向を見ると、スーダンの農業生産性はほぼ停滞しています。このような背景から、2008年にスーダン政府は農業セクターの活性化のための支援を日本政府に要請しました。これに応えて開始されたのが「スーダン国東部・農業協力プログラム準備調査」で、スーダンでの26年振りとなる農業分野への協力に向けた調査を目的としています。

事業概要

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第一次調査(2009年4月〜5月)では、スーダンにおける農業開発の現状、課題の整理が行われ、スーダン統一政府・農林省の人材育成、組織強化や農業生産性の向上、紛争の影響を受けたスーダン東部・カッサラ州での農牧業を通した生計向上などが重点課題として挙げられました。第2次調査(同年7月〜8月)ではこれらの課題についてさらに詳しく調査が行われました。

これらの調査を通して、農業行政官の人材育成を強化するために研修システムを構築することや陸稲(ネリカ米)の導入に向けた稲作技術の研究開発への支援、また東部カッサラ州において農牧業の活性化に向けたアクションプランを策定することが技術協力の重点分野として特定されています。

事業ハイライト

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スーダンでは近年、競争力の低下している綿花に代わる換金作物の導入へのニーズが高まっています。スーダン政府は2000年以降、アフリカ稲とアジア稲を掛け合わせて育種された乾燥や病気に強いネリカ米の導入に向けた試験研究を開始し、2007年からはFAOの支援によって白ナイル州のパイロット農家によって栽培されました。現在も農林省と農業研究所が中心となって、全国4州のパイロットファームで実証栽培を進めています。協力準備調査を通して、スーダンでの稲作導入に向けた課題が分析され、稲作支援のための協力内容が検討されました。