根寄生雑草克服によるスーダン乾燥地農業開発 R/D署名

2009年11月10日

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署名の様子

スーダン科学技術大学で、今月10日、スーダンで初となる科学技術協力案件「根寄生雑草克服によるスーダン乾燥地農業開発」のR/D(討議議事録)署名が行われました。この案件は、平成21年度地球規模課題対応国際科学技術協力プロジェクトのひとつとして、植物科学と文化人類学・社会経済学の両面からの研究に取り組むことで、効果的にスーダンにおける食糧生産の増大と安定化に貢献し、将来的には当案件による成果がサブサハラアフリカ全域のストライガ防除に貢献することが期待されています。ストライガは作物の根に寄生して養水分を奪って成長するアフリカ特有の根寄生雑草であり、サブサハラ乾燥地における穀物生産に甚大な被害を与えています。

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会場の様子

地球規模課題対応国際科学技術協力は、環境・エネルギー、防災、感染症対策等の諸課題について、日本と開発途上国の研究機関が、外務省・JICA及び文部科学省・独立行政法人科学技術振興機構(JST)の連携による支援のもと、共同研究を実施し、地球規模の課題の解決に資することを目的としています。JICAが2008年にこの科学技術協力を実施する以前から、スーダン科学技術大学と神戸大学は15年に渡ってストライガ関連の共同研究を行っています。

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科学技術大学教授より
記念品を贈呈されるJICAスーダン所長

本案件では、代表研究機関となるスーダン科学技術大学及び日本の神戸大学総合地球環境学研究所、大阪大学大学院工学研究科及び鳥取大学乾燥地研究センターが参画し、1)ストライガの防除法の開発、及び2)ストライガ防除に資する知見の集約と普及を2本柱として、2010年より5年間に渡って共同研究が実施されます。

本案件では上記の2つの成果の達成に向けて、次のような活動が実施される計画です。

ストライガの防除法の開発

ストライガの自殺発芽(注1)誘導物質の開発やストライガ防除微生物の探索、宿主養水分収奪機構の解析、イネやソルガム(注2)のストライガ耐性・抵抗性の品種の選抜及び環境適応性の検討、またストライガ耐性・抵抗性の作物の探索・選抜と新規輪作体系の検討に取り組む計画です。

(注1)人為的に発芽を誘導して自殺に追い込むこと。

(注2)トウモロコシの別名

ストライガ防除に資する知見の集約・普及

スーダンにおけるストライガ防除に関する伝統的知識や新技術受容性の調査、現地住民の嗜好調査や既存の輪作体系の改良などに取り組むことが計画されています。

当日は、署名式に続いて、ストライガ及びメスキート(雑草)に関する国際セミナーが開催されました。同国際セミナーは日本学術振興会(JSPS)のアジア・アフリカ学術基盤形成事業の一環として毎年開催されており、今年はスーダン・ハルツームにて開催となりました。神戸大学の杉本教授を始めとした標記プロジェクト関係者がセミナー参加のためスーダンを来訪されました。